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通販スキルと時間停止アイテムボックスで生活改善!  作者: 春爛漫


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身体を洗いましょう 2

 そう、今、私は、子鹿並みに、ぷるぷる震えています。


 髪を洗っている間は少しは運動出来ていたのか、寒さと熱が戦っていましたが、今は小さな風呂桶の汚い水に浸かっている幼女です。


 お母さんは今、体力がありません。

 そして今、私の綺麗になった髪を見てお父さんを思い出してしまい、心の傷が開いてしまいました。


 ここで震える幼女は動かなくてはなりません。


 アイテムボックスから買っておいた新品のフェイスタオルを出して、濡れた髪の毛の水気を拭き取ってから、タオルで髪の毛と頭を包むように上手く巻きつけてほどけないようにします。

 ヨシ。


 身体は濡れていますが、風呂桶から立ち上がり、出来るだけ水気を落としてから桶から出て、普段使いしている小さな汚れた桶に風呂桶の汚水を入れてはトイレに流すながれをこなします。


 実は小さな風呂桶でも5歳児の私には大きな風呂桶です。

 持ち上げられません。

 無理です。

 持ち上げたら骨折してしまいます。

 栄養不足でしたから、骨密度もきっと低いです。


 お母ちゃん、娘の為に立ち上がってください。


 あなたの娘は、今、苦労しています。


 ◇◇◇


 無理でした。


 お母ちゃんは、心がポッキリと折れてしまい、傷心の乙女状態です。

 精神科一歩手前です。

 誰かお薬をください。


 あ、私が作れました。


 全裸で、お母ちゃんをベッドに誘導して寝かせて、静かに涙を流し続けるお母ちゃんの為に、300ほどしか回復していなかった魔力を使って、薬剤調合の力で薬草を手作業で潰して薬湯(水だから効き目が薄い)をお母ちゃんに飲ませて、自然に入眠出来るように祈り、1人、不器用にボディタオルで固形石鹸を泡立てて体を擦ったところ、シュンと泡が無くなりまして、髪の毛の二の舞です。

 水を流してくれるお母さんがいないだけで大変な作業です。


 それでも、幼女はめげません。

 何度でも、何度でも、何度でも、体を洗い続けます。

 薬用固形石鹸の効能を信じて。


 (なんだか、石鹸が少し小さくなりました)


 大変です。

 コスパ最強の石鹸が目に見えて小さくなりました。

 私の体の垢と汚れはコスパ最強の石鹸より強かったようです。


 そして、ようやく!ようやく!体を擦っても泡が消えなくなりましたよ!(水が足らなくなるとヒヤヒヤしてました)


 「これで、勘弁してやるよ」と最後の仕上げにかかります。

 丁寧に丁寧に体を洗っていきます。


 そして最後に足の指です。


 あの激臭かった足が!ツヤツヤの真っ白です!(私の肌は白かったようです)垢と土埃の固まったものが体に付いていたんですね。

 そら、ベッドが臭くなります。


 今日から、あのベッドで寝るのが嫌になりそうです。

 至福の空間だったのに……。


 最後に頑張って体の泡を流していきます。

 仕方ないのです。5歳児ですから。流し残しがあったらタオルで拭き取ります。


 風呂桶からでて、水分をタオルで拭いて、パンツ……は、新しい物を履きます。

 さすがに臭い時に来ていた下着と服は着れません。


 靴は……変えが無いので履きます。


 頭のタオルを取って、すっかり水気の無くなった髪を確認してからワンピースを着ます。


 そして、購入して良かった豚毛の櫛でもつれた髪を丁寧に、丁寧に、とかしていきます。


 毛先まで、引っかからずにとけたら手で触って確認します。


 今までの硬くてギトギトの髪から、日本で触っていた、あの髪の指通りが実現しました。

 あとは、自然乾燥に任せます。


 そして、汚水を何度も、何度も、何度も、往復しがらトイレに流します。

 溢れてこないところを見ると、スライムさんが全てを吸収してくれているようです。

 良かった。


 さて、自分の身体を洗ってみてわかりました。


 最強に汚れた身体を洗うには『体力』が必要です。


 最初は、お母さんを私より先に綺麗にしようと考えていましたが、今のお母さんの体力では『無理』です。

 寒さと、体力を削る行為にお母さんの身体が悲鳴を上げてしまいます。


 少し、お母さんに筋肉がついてきた頃に丸洗いしましょう。

 私が我慢出来ません。

 お母さんの臭さに。


 臭いベッドも新しいのが欲しいです。

 地球産がいいです。

 その為には、私の魔力を2万程に増やさなくてはなりません。


 私の仮説ですが、魔力は使えば使うほど増えていると思います。

 ベッドを新調するにはーー!!


 考えを放棄しそうになりました。


 そうです、私は考え違いをしていました。

 私の通販は『現金』でも購入出来るのです!

 私は、金儲けに走りますよ!!

 目標が出来たのですから!


 さて、目標が明確になったところで、昼食が近いです。

 それだけの時間を身体を洗う時間に割いてしまいました。

 軽く菓子パンとチチ乳を飲んで……水分が足りませんね。

 何故か身体を洗うと水分が抜けますね。

 ここは、いっちょ、スポドリを飲みましょう。


 ふぅー。

 体に水が満ちる気がしますね。


 それでは、机の上にお母さんが起きてから食べられるようにパンを置いて、私は市場価格調査に出かけましょう。


 目標の為にお金になる物を探すのです。


 布鞄を持って、いざ行かん!


 お母さん、行ってきますね。

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― 新着の感想 ―
金儲け。些細な金儲けだと見過ごされるが、大儲けしたら、五歳の幼女から奪うのは簡単だろうなと心配します。
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