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家には無い物だらけ

 遅い昼食はキャロを食べた。

 熟していて、赤い野菜だからトマトみたいな味かな?と思っていたけど、酸味がなくってフルーツのような食感にほんのり甘い、美味しい野菜だった。

 子供が好きそうな味だと思う。

 いや、大人でもおやつや間食代わりに食べれそう。


 お母さんが書いてくれた注文書を読んで、今日の文字の勉強の予習をした。

 多分、お母さんの字は綺麗なんだと思う。

 何故かって?

 何となく優美?な書道に通じるような流麗な文字に見えたからです。

 やっぱり元貴族令嬢なんだなぁ。


 Tシャツを購入して、魔力が結構余っているからシャンプーを買おうと思う。

 予算は1600ポイントのシャンプーだからちょっとお高めな物を。


 1600ポイントなら市販シャンプーの良いものが買えるよね?


 通販を開いて、何故かある口コミを見ていくと「サロンのシャンプーに負けない」と書いてあるボトル入りシャンプーを買う事にしたのだが、120ポイントくらい余ったので、薬用固形石鹸を購入する事にした。

 固形石鹸は前世で私が使っていた物だけど、ボディソープより綺麗になる気がするし、コスパも凄くいい!

 費用対効果が良いって事だね!

 薬用なのは成分が強いので、臭い菌を撲滅してほしい願いが込められている。

 子供の肌には強いかな?


 いざ、お母さんのギトギトの頭をシャンプーで洗おうとして、大きい桶が無い事に気がついた!


 それに、小さな私がお母さんを洗う為に、土足の床に転がって貰うのに敷き布があった方が服が汚れないし良い。


 あーーー!!!魔力が!魔力がもっと欲しいよ〜〜〜!!!


 風呂桶が欲しい〜〜〜!


 仕方がない。

 シャンプーと薬用固形石鹸は手元にあるからいつでも使える。

 前向きに考えるんだ私。


 あれ?私、確か、ステラおばさん達に服を売った時に現金が無かったかな?

 確か通販でお金でも買い物が出来たよね?ね?


 通販画面を見ると……。

 現金かポイント(魔力)で買い物出来るって書いてある〜!コレは朗報!朗報である!

 アイテムボックスからステラおばさんから貰ったお金を出して数える。

 銅貨の種類が多くて覚えづらいんだよな〜。

 え〜っと、900ルビあるから……9000円だ!

 通販を開いて『風呂桶』で検索すると、丸型桶があった!大きさが色々あって、地球産とソレイユ(この世界)産がある。

 地球産の方が綺麗だけど値段が高い!ソレイユ産しか今は買えないか……。


 ん〜、魔力が回復するのを待って、お母さんが入れる大きな桶を買おう。

 お尻の高さまでしか入らない大きさだけどね。


 って言うか、朝から慣れない遠出に勉強をしたし、魔力を使い切って眠い……。


 モゾモゾと慣れた臭いベッドに横になっておやすみの体勢になると、ストンと眠りに落ちた。


 ーーねぇ?忘れているでしょう?


 何を?


 ーー購入する物だよ。お母さんの!


 えー、お母さんに服は買ったし、下着も買った。シャンプーも買って薬用固形石鹸も買った。風呂桶は次に買うから完璧じゃない?


 ーーもー!じゃあアドバイスするね!

   体を洗うタオルでしょー?風呂上がりに清潔に髪と体をふくタオルでしょー?あとは、お湯を出す魔道具!これはいるよ!


 えー!魔道具なんてあるの!知らなかった!

 でも、それって『通販レベル1』でも買えるの?


 ーーレベルは2に上がったよ!沢山買い物するとレベルが上がって買える物が増えるからね!レベル2は簡単な魔道具が買えるようになったよ!


 わかった!次に買ってみるね!


 それと、あなたはだあれ?


 ◇◇◇


「んあ?」


「起きた〜?今日は初めてのお勉強をして疲れちゃったのね。食事ができましたよ〜」


 狭い家の中になんだか香ばしい良い匂いがする。


 チヤのお腹が「ぽこぽこぽこ」と音がした。

 腹時計だ。


 チヤは伸びをしてからベッドの上に起き上がって、お母さんを見た。


 細いなぁ。

 折れちゃいそう。

 ああいう体型の芸能人がいたなぁ。

 どれだけ痩せても納得しないの。

 「死んじゃうよ」って見てたなぁ。


 お母さんがボーッとしてるチヤを見てニコニコした。


「あらあら、どうしたの?まだ眠いの?」


 チヤの近くにすぐ来てくれて、抱き寄せてくれて頭をいい子いい子と撫でててくれた。


 お母さんのにおいーークサイ。


 目が一気に覚めたよ。


「お母さん、晩御飯食べるよ」


「あらそう?お母さんの久しぶりの料理を食べてね」


 お母さんと2人で2人掛けの机に座ってこの家に唯一あるお椀に野菜と肉と麦が混ざった料理が置いてあった。

 木のスプーンが置いてあるからこれで食べるのだろう。


「実りをお恵みいただきありがとうございます。それじゃあ食べましょうか」


 「実りをーー」ってこの世界の食事前の挨拶かな。

 じゃあ、私も。


「実りをお恵みいただきありがとうございます。いただきます」


 お母さんがニッコリとした。


「あら!食事前の挨拶が出来て偉いわね!お母さんも食べようっと」


 味は……?

 野菜の味。素材の味だ。

 火の通りは控えめな感じ。口の中で野菜がごりごりしてる。

 肉は私が出した豚肉。薄切りだったから火が通ってる。

 塩だけの味付けなのかな?


「お母さん、味付けって塩だけなの?」


 お母さんは申し訳なさそうにした。


「ごめんね、塩を買ったら家のお金が減ってしまうから今は家に無いの。お母さんが元気になって働きに行けるようになったら、お母さんばんばん働くわね!」


 ま、まさかの!味付け無しだったー!!

 素材の味まんまー!!


「お母さん!ごめんね!スキルで塩も胡椒もスパイスもハーブも買えるから!欲しい物があったら教えて!」


 お母さんは驚いた顔で「あら!?あらあらあらあら!」と「あら」しか言わなくなった。


 わかったよ。

 驚きすぎたんだね。


 食後はお母さんの言う調味料をポイントとちょっとのお金を使って通販で購入した。


 精製塩じゃない天然塩ってバカ高いんだね。

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