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通販スキルと時間停止アイテムボックスで生活改善!  作者: 春爛漫


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オババ様と一緒に行こうか

 オババ様が鏡から出て来て私を見た。


「なんだいチヤ。バナナでもくれるのかい?」


 オババ様的ジョークを飛ばして来たので、チヤは確信を持つためにオババ様に質問する。


「オババ様にならいつでもバナナを渡しますが、今はジョエル兄様のお話です」


 ジョエル兄様の名前を出した途端にオババ様らしくない苦い表情を浮かべた。


「ジョエルはねぇ、治そうと思えば治るんだが、木族のねぇ『ショル』と言う男が頑固なんだよ。食べ物にばかり執着する男でねぇ。

 あっ! もしかしてバナナを交換条件にするつもりかい?

 バナナはねぇ「種が無いならいらない」と断られたんだよ。匂いも美味しく無いと言われて、食べもしない!

 バナナは交渉材料になると思ったんだが」


 オババ様がバナナに執着する話をしながら、多分、先天性異常を治してくれる『ショル』と言う人の話をした。

 最後は愚痴のようだったが。


 オババ様もジョエル兄様が治るように動いてくれていたんだね。


 これならオババ様を仲間に付けれるかも!

 と、希望が湧いてきたので、チヤは通販から美味しいが普通の白桃を2個購入した。

 そして、アイテムボックスから出して白桃を手に持ってオババ様の前に掲げる。


「オババ様、この果物の中には大きな種が入ってます。発芽するかは分かりませんが、交渉材料になるでしょうか?」


 オババ様が手を出したので、白桃が潰れないように、そっと、その手に乗せると、オババ様は柔らかさに驚いたようにしながら果実の匂いを嗅いだ。


「驚いたよ! チヤ! 隠し玉を持っていたね! この香りならあいつも食いつくよ。チヤ、あんたもおいで。木族の里の地理を覚えな!」


 えっ! なんだか急に木族の里に行く事になっちゃったけど、多分『ショル』さんの居場所を知っておくのはマイナスにならないだろうと、おじいちゃんの腕から降りて、オババ様と手を繋いで準備をした。

 いきなり離れられたら困るからね。


 オババ様は、私に手を繋がれて驚いたようだったけど、子供だからか許してくれた。

 白桃はオババ様のアイテムボックスにしまってたけどね。


 おじいちゃんが心配そうに私を見るから、笑顔で手を振って、オババ様に引かれるままに鏡の中に入るのだけど、怖くて咄嗟に目を閉じてしまった。


「ようこそチヤ。私の家だよ」


 ぱちっと目を開けて見えたのはぬくもりのある木製の部屋だった。


 棚の中や上に見たことのない道具がたくさん乗っており、私は入って来た場所を振り返ると、オババ様の部屋で見た鏡と同じ物が壁にかけられていた。


「帰りもここから帰るからね。覚えておきな」


 そう言った後に、オババ様に手を引かれて部屋を出て、若干埃臭い廊下を抜けて家から外に出ると、まるでファンタジーの世界に迷い込んでしまったかのような世界に包まれた。


 空を飛ぶファンタジーな外観の乗り物に、何処からか出てくる荷物の配達屋さんに、独自性を追求する為の変わった外観の建物群に、大勢の綺麗な顔の木族達の行き交う道。


 木族の人達は変装をしていない女神様や男神のような綺麗な顔にバランスの良い体つきをして、夢のような光景だった。


 私が胸を高鳴らせているにも関わらずに、オババ様はその流れに乗って目的地に歩き出す。


 オババ様と手を繋いでいなかったら迷子になるだろうと思うくらいに金髪だらけの人々を良く見ると、似ていたと思っていた顔つきにも個性があるのがわかった。


 お淑やかそうな女性に、気の強そうな顔の女性と男性。

 まるで冒険者のような格好の男性に、彫刻から抜け出てきたような肉体美を持つ男性。


 ファンタジーだが、いろんな格好をしている木族に、日本の東京を思い浮かべてしまったのは当たり前だろう。

 いや、スーツは着ていないけどね?


 オババ様は街中に住んでいたのか、進むに連れて人が少なくなっていき、畑のような場所に来て、獣道のような場所を歩いて行くと、とても小さな可愛い家に着いた。


 オババ様は勝手に玄関を開けて中に入ると、小さな家からは想像が出来ないくらいに家の中は広くて「空間魔法か!」と思いつきながらも、オババ様の家以上に汚い廊下を歩いて一つの部屋の中に勝手に入ると、いろんな物が積まれた机に向かっている男性? の後ろ姿が見えた。

 一瞬女性に見えたのは髪が長かったせいだ。

 体つきは男性だった。


「ショル! 良い物を持って来たよ! 匂いを嗅ぎな!」


 オババ様が急かすように白桃を差し出すも、面倒くさそうに振り向いたのは目が覚めるような美男子だったが、その顔はとても眠そうだ。


 オババ様の手に持たれた白桃の匂いを嗅いだ途端に、美男子の眠そうだった目がカッ! と見開かれて、「ふんふんふんふん」と鼻息が聞こえそうなほどに白桃の匂いを嗅いでいる。


「これ! 欲しい! 種はあるの!?」


 良い年に見える美男子だが、子供のようなテンションで話し出した。

 オババ様がニヤッと笑った。


「ショルの固有スキルを使ってくれたらタダであげるよ。種はこの実の中にあるらしい」


 美男子が手を伸ばして白桃を取ろうとした途端に、オババ様は白桃をアイテムボックスの中にしまった。


 美男子は舌打ちしそうなほど顔を顰めて嫌そうに立ち上がり「案内して」と、面倒なことは片付けてしまおうと言うようにオババ様を急かした。


 オババ様の家に帰るのかな?と思っていたが、オババ様は何も無いところに等身大の鏡を出した。


 私もアイテムボックスから物を取り出す時には周りの人を驚かしていたのかなぁ、と思い、今後の使い方を考えようと思った。

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