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通販スキルと時間停止アイテムボックスで生活改善!  作者: 春爛漫


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カレーは中毒性が有る、と考えるのです

 その日の夕食には、お昼に食べた『カレー』が他の料理を邪魔しないように各人の前に置かれたが、匂いだけはやはり強烈に主張してくる。


 チヤは厨房に『お米』を置いてこなかったことに後悔したが、パンにつけて食べても美味しいと思い直した。


 いいじゃないか。

 『カレー』を自由に食べたって。


 料理長がおじいちゃんやおばあちゃん、叔父さんに『カレー』の説明をしているうちに、チヤは料理を食べる順番を決めていた。

 普通の貴族家では食べる料理を温かく召し上がっていただく為に、一皿ずつ提供されるのが普通らしいが、おじいちゃんが私の為に全品並べて出してくれている。

 庶民的で私はこの方が食べやすい。

 一品一品料理が提供されるなんて肩がこっちゃう。


 カレーは味が濃いから後から食べて、温野菜から食べようかな?

 と、考えていたら、おじいちゃんから声をかけられた。


「この『かれー』とやらはチヤちゃんが厨房の皆と作ってくれたのか。

 ありがとうねぇ。チヤちゃん」


 語尾にハートがつきそうなでれでれとした声でおじいちゃんに言われて、チヤは思わず、にやぁ、とにやけてしまった。

 いや、チヤ的にはニコリと笑ったつもりなのだが、成長期の食欲には敵わずに、昼食で食べたカレーライスを思い出してにやけてしまったのだ。


 おじいちゃんは孫馬鹿全開で、チヤの奇妙な笑いをスルーしてくれた。


 そして、食前の挨拶をみんながしてから、料理に口をつける。


 やっぱり、みんなのお目当てはチヤが厨房の皆と作った『カレー』だったようだ。

 まず、匂いが強烈なので刺激を受けて、『カレー』の見た目にちょっと引きながらも、興味を抑えきれずに1番に口をつけて、その濃厚でガツンとくる味に、おじいちゃんとおばあちゃんと伯父さんが味わって食べていた。


 やっぱり『カレー』には中毒性が有ると思ったチヤだった。


「いやあ、贅沢な味付けだね。スープのようだけど、食事の主役になりそうな味だ」


 伯父さんが食べながら言うと、お姉様が自慢げに言う。


「あら、私は昼食に『カレーライス』と言う形で食べたわ。主役になりそうと言うか、主役として食べたわね。量も多かったわ」


 何故かお姉様は伯父さんを少し揶揄うのが好きなようだ。


 伯父さんが小盛りのカレーを食べ終わると、給仕に「おかわりをくれ」とお願いしていた。

 カレーを気に入ったようだ。


 そうなのだ。

 『カレー』は何故か『若者』に人気が高い。


 何故なのか?

 成長期の身体が求めるのか?

 子供に好かれる味なのか?


 真実はわからないが、夕食の献立を考えるお母さんの味方だ。


 手軽に、美味しく、大量に作れる『カレー』は子供の胃袋を掴んで離さない。


 そして大人になっても子供の頃に食べた味を忘れられずに、食堂などでカレーライスを購入して食べるのだ。


 やっぱり中毒性がある、と、チヤは密かに頷くのだ。


 そして、カレーの汚れは取れにくいことを密かにチヤは内緒にする。

 カレーを禁止されるのが嫌だからね。


 私は『カレー』を褒めてくれるおじいちゃんとおばあちゃんと会話をして、パンにカレーをつけて食べた。


 ふむ、うむうむうむ。

 これは、あれですな。

 こんがりと揚げた『カレーパン』が食べたいですな。


 と、そこで『通販』を思い出しました。

 『通販レベル7』で、世界各地のお店の物が買えるのです。


 思い出した私は密かに落ち込みました。

 わざわざスパイスから作らなくても、通販のカレー専門店で『カレー』が買えたのです。

 しかも、今食べたいと思った『カレーパン』も買えます。

 美味しいパン専門店の『カレーパン』です。


 昨日の夕食に、料理長に「カレーが食べたい」と呟きを聞かれた時点で私の負けだったのです。

 私に『カレーを作る運命』が与えられたのです。


 まあ、家族みんなが喜んでいるので、よしっ!と、しましょうか。

 お母さんの便通も改善されたし。

 私のスキルを大っぴらにはできませんしね。


 意外にもパンは、異世界あるあるな激硬のパンではありません。

 いや、とくにふんわりと柔らかくも無いですけどね?

 フランスパン並みの硬さです。

 別にパンで人を殴って殺せそうではありまんね。

 これは麦にいろんな種類があるので、パンに向いた品種を使っているのでしょう。

 麦の焼けた良い匂いと風味がします。


 どろっとしたカレーに少し硬めのパンが良く合います。


 それを見ていたおじいちゃんもおばあちゃんもお母さんも私のマネをします。


 美味しいですよね?


 伯父さんとお姉様は、おかわりをするか悩んでいますが、お腹と相談して辞めたみたいですね。


 そうなんです。

 ここの厨房の配膳は、だいたい腹9分目なのです。


 「満足。でも、もう少しなら食べれそう」という絶妙な配膳ですね。

 伯父さんはカレーをおかわりしていたのでパンにつけて食べるのはお腹に溜まるのでやめたようです。


 満足な夕食が終わり、今日はみんなでお風呂場に行きます。

 あれ?食前に入らなかったの?と、疑問ですか?


 おばあちゃんを待っていたので、おばあちゃんが帰って来たのが夕食前ギリギリだったのですよ。


 まあ、お湯は最近ずっと私が『温泉の湯』を出していましたから冷めませんし。


 おじいちゃんと伯父さんはお風呂に入ってほかほかですよ。

 最近は健康に良い効果の温泉に入ってもらっています。


 いつまでも元気でいてほしいですね。

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