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都市伝説

わ、また目が合った気がする。

ひどい思い込みだよね、私。

周りのエキストラ参加者はドラマの出演者達をひたすら目で追っている。

こんなエキストラの一人である私なんて見るはずない、彼も演技の一貫として私を見たに過ぎないのに。

今日の撮影はアイドル役をやる早川俊を自分の全てを出し切って応援するエキストラの一人が私だ。

今日の撮影はヲタクの自分からしたらすごくやりやすく楽しい。

そりゃー、ダテに推しのオタク活動してないので。


「俊ー、今日の演技硬すぎない?」


カットがかかった瞬間、早川俊のステージ最前列にいた若いキレイめの女の子が普通に彼に話し掛けていた。

基本エキストラは出演者に絶対に話してはいけない。

でも、エキストラと言えど、私みたいに趣味の一貫でエキストラしてる人間もいれば事務所から派遣されて撮影に参加している方もいて、その方達はちゃとギャラを貰っているし、いつかあっち側に行きたい、行けると思ってる方々なのでプロと言えばプロなのです。

私達は片手間に出演しているのにも関わらず非売品の特典をいただける上にたまにロケ弁まで出る日もある。

本当はしちゃいけない事なのに、その特典を売る人間もいるらしい。

まぁ、私にはそんな事関係無いけど。

私は色々な作品に参加して、放送された日に自分を探すのが楽しい。

そして…。

何と言っても、早川俊に会えるから。

その早川俊が今キレイ目の女の子と楽しそうに話してる。


「そうかなー?」


何あの表情?素の表情じゃん?

私、演技の笑顔しか見た事ないのに!

誰?あの子?事務所の子?


「うん、硬いよ硬い、地方ロケで疲れちゃった?」


「イヤ、そんな事無いけど…」


会話はそのまま進んでいった。

他のエキストラ達も別にそんなに大した事無いと言う感じだったが、私は違う。

悔しいと言うかずるいと言う思いの方が強かった、それからその女の子を意識して見るようになった。

その女の子は早川俊のどの現場にもいる事が分かった。

それだけじゃなく、彼女はどの現場の監督とも親しく話している。

これは…もはや、エキストラ噂の、監督のお気に入りエキストラではなのではないか?

監督などに媚を売って、撮影の時に必ず呼んで貰えると言うあの噂の…。

最早都市伝説かと思ってた。

未確認生物バリの彼女は私の視線に気付く事も無く、早川俊と楽しそうに話しを続けていた。










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