表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プレリュード

「優真、あんたベース弾けたわよね明後日の学祭でヘルプしてちょうだい」

「は? いきなり何言ってんだよ葵。お前のバンドのベースは・・・五十嵐さんだったか?」

「なんで疑問形なのよ。未来今日の体育で倒れたらしいのよ」

「マジかよ。あーひょっとして今日救急車来てたのそれか?」

「それよ、まあ熱中症で倒れたんだって。大事は無いみたいだけど念のため今日は入院」

葵の話によると、五十嵐が急に体調が悪くなり倒れてしまい救急車を呼んだそうだ。幸い意識もしっかりしているし命にも別状は無いようだと聞きひとまずホッとした。だがそうなると問題が出てくるのは彼女の抜けた穴をどうするかである。

「であんたがベース持ってるのを思い出したのよ。確か弾けるっておばさんに聴いたけど?」

そう言われて優真は困ったように頬をかく。

弾けない訳では無いが人前で演奏した事など全く無い

それを理由に遠回しに断るが

「あ〜もう!仕方ない優真はいコレ‼︎」

そう言って取り出したのは古い紙切れだ。

「なんだよコレ」

受け取りながら尋ねると葵はニヤリと笑って。

「なんでも言う事を聞いてくれるんでしょ?明後日のライブまでしっかりサポートしてよね」

と言った

手元の紙切れに目をやるとそこに書かれていたのは


『なんでもいうことをきくけん  きやまゆうま』


と書いてあった


「お前なんでこんなもんいまだに持ってるんだよ・・・」


子供の頃の事を思い出しため息をつく優真。

あれはまだ二人が小学生くらいの頃の話だ 葵からある頼みごとをされ優真はそれを断ったのだが その罰ゲームとして書かされたものだ。

しかもご丁寧にフルネームと印鑑まで押してある始末である。


「いいじゃない別に。そう言う事だからお願いね」

「あ〜もうしかたねぇ。俺は素人だからな!どんな事になっても知らねえぞ‼︎そんでやる予定の曲の楽譜と音源無いのか?」

そう言いつつも引き受けてしまう自分に内心ため息が出る。

「安心して私達も素人よ。楽譜は・・・はいコレ。それで部活レベルで音源なんて出せる訳ないでしょ、確か練習を撮った動画があるはずだから後で送るわ」

「りょ〜かい」

「じゃあ頼んだわよ。あ、明日の放課後リハするからちゃんと来なさいよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ