表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

94/140

星月夜

94話目です。

「……どうしよう、これ。」


何か訳ありげな人物に関わってしまったが、置いてけぼりにされた道具達をそのまんま私も去るわけにはいかず、立ち尽くしていた。

フィンセントさんを追った方がいいのだろうか。でも、もうずいぶん遠くに行ってしまっただろう。今からでは追い付けないかもしれない。

そんなこんなで悩んでいると、今いる路地の向こうから声が聞こえてきた。


「はぁ、はぁ……こ、ここにもいない……隣は……」


さっきの、ポールさんという人の声だ。ここまで追ってきたのだろうか。


「あ、あの……あなたはさっきの……?」

「あ! きみ、フィンセント君と一緒にいた人かい? フィンセントさんはどこに……」

「道具をおいて、どこかへ……」

「なんてこった! また別の場所に行ってしまったっていうのかい? 探さないと……」

「あ、あの、ポールさんですよね、なんでそんなにフィンセントさんを追っているんですか?」

「それはもちろん、フィンセント君との約束を守るためさ。」

「あの……でも、フィンセントさんは今、スランプだそうで、絵がかけないって言ってましたけど……」

「おや、そうなのかい? でもそれとこれとは別問題だろう?」

「え? でも、フィンセントさんはそれのせいで探されてるって……」

「そうだよ? ……まぁとにかく追おう!」

「で、でも、どこにいるか分かるんですか?」

「着いてきてくれ、宛はある。彼は昔この近くに住んでいたんだよ。」

「じゃあここら辺のどこかに?」

「あぁ、この通りを少しいったところに、橋があるんだ。そこへ向かおう。君も来るだろう?」

「私もですか?」

「だって、フィンセント君は君の絵を描いていたんだ。絵を完成させないと、ダメだよ。」


もうずいぶん日も傾き、時間もないのだが、まぁどうやらこの世界には不審者などの心配はなさそうだった。というのも、夜になれば電灯なんてものはないので、みんな家にこもる。外出している人なんてごくわずかだそうだ。

といっても、あまり遅くなるわけにもいかないので、時間を気にしながらフィンセントさんを探すことになった。

最後まで読んで頂いた方、誠にありがとうございます。

面白かったらブックマーク、感想よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ