天は廻らず
83話目です。
「団長さん! 起きて~!」
「うーーん……何だよ……」
「起きてください団長さん、僕たち早く帰りたいんですから。」
「はっ?! お、俺は何を……」
「アルスちゃんたちにさらわれて、ここで一日寝てたんだよ!」
「アルス? 誰だそいつ。」
「アルスちゃんはここに……あれ? 「赤き騎士団」の皆、いなくなっちゃってる。シナバーさんも。」
「別の結社のやつか? よくわかんないけど、まぁなんかあったんだな。」
「そうなんですよ。もう皆へとへとです。早く帰ってごはん食べましょう。」
やれやれといった具合に、皆が帰路について家を目指した。が、お兄ちゃんのいた場所に生えていた木の根本付近に、茶色い封筒が落ちているのに気がつき、それを拾い上げ、中を確認すると、
『やぁ、アルクトスだよ。
この封筒に入っているものは、僕たち星座種の人工知能を作った博士の日記だ。
現在僕たちは、この日記を持て余しているんだ。僕たち星座種、そして天体種について多くが書かれている。
僕たちがこの意味を理解するにはまだ情報が足りない。
君達は、この意味が分かるかい?』
……という手紙と、手紙に書かれている日記と思わしき一冊の本が入っていた。
君達というのは、私や、アストラルさんのことだろうか。
意味、というのは……この日記のなかで、アルクトス達の産みの親である博士が、何かの言葉を残したのかもしれない。
もう一度図書館に行くと共に、この日記を考察してみないと。
――――
「と、いうことで。僕は君達をカルソーヌまで案内したんだから、約束の2LDKのスイートホームをよろしくね~」
「ほ、本当に良いんすかアルスさん……勝手に家なんて建てたら、また王サマに怒られちゃうんじゃ……」
「ま、まぁ大丈夫よ。お父様にちゃんと事情は話すし……それより、あなた、本当に研究者なの? 全くそうは見えないんだけど。」
「失礼な! ちゃんと研究者だよ! 証拠に……ほら!」
「何、これ? 青い宝石?」
「聞いて驚け。これはだね、星の石だよ。」
「星の石? なんすかそれ。」
「何千年も昔に、地球に落ちてきたんだ。まだ、星が見えた頃にね。これはシリウスっていう星の欠片さ。」
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