深淵に臨むもの
77話目です。
「「「うわあああああ!!!!」」」
それぞれがバラバラに地面へと落下していく。この高さは、助からない。
固く目を瞑り、少なからず衝撃に備える心構えをする。まぁ、無駄に終わるだろう。
「…………?」
いやに長い間落ちている。この高さだとそのくらいはかかるのだろうか。いや、先程から風も感じないが……
「?! る、ルーノ先輩!」
「皆、無事?」
「な、なんとか無事っす……」
「ビックリしたね~!」
……なんとまぁ、この人数を、しかも落下している状態で掬い上げるとは。流石、開いた口がふさがらない。
「結局あの声なんだったのかしら? ここに落としたら全員死んじゃうと思ったの?」
「でも、死にはしないけど脱出は難しくなった。」
「まぁそうね。はぁ、本当にどうしよう。」
「真っ暗でなんも見えませんけど、こっちから風が吹いてますよ!この先に空間があるっす!」
「でも、無闇に動くのは危険じゃない?」
「ここにいても何もならないし、行った方がいいと思う。」
「今日は博打ばっかね……まぁしょうがないわ。ザックさん? あなたが前行ってくれる?」
「わかりましたっす! ちゃんとついてきてくださいね~」
そういうと、振り替えることなくずんずんと進んでいってしまった。置いていかれないように、急いで後を付いていく。
それにしても、ポラリス……名前と、何者であるのかは分かったが、最後の言葉が気になる。
『北の星は動かない。時代が変わってもね。』
あれはどういう意味なのだろう。
アストラルさんの話と重ね合わせると、名前的にも天体種の人工知能だろう。でも、天体種は滅びたはず。なぜ、この世界にいるのか。そして私たちに牙を剥くのか……
あの言葉に意味があるとしても、私一人だけで考えてわかる気がしないが、暗闇を見ていても仕方ないので勝手に頭が働き出す。
時代が変わる、というのは、世界が変わったことを言っているのだろうか。なら、北の星は動かないというのも、私を突き落としたのと、今回私達を穴のそこに落とした事が繋がってくる。
だとするなら、落とすという行為になにか意味があるのだろうか。
「こっちっすね……うわっ?!」
「なに? これ。」
ザックさんの声につられて目線を前に向けると、空洞の壁にはびっしりと青く光る鉱石が輝いていた。
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