赤の貴婦人
74話目です。
「全く! どこほっつき歩いてたのよ!」
「え、向こうの倉庫……」
「そんな事は聞いてないわ! 勝負は出来たんでしょうね?」
「勝負……? あ!」
「まさか……」
「す、すみません……忘れてました……」
「このおバカ!」
また頭に一撃を食らっている。理不尽だ。
「あっ! くろねちゃーん!」
「ティロちゃん! 無事だったんですね!」
「うん! さっきぶり!」
「あれ? リリスさんも負けちゃったんですか?」
「負けてない。」
「え?でも……」
「実はね……」
――――
「本気でいっちゃうよ! ハル君、お願いね!」
「任せてください、ティロちゃん……「魔法強化」!」
「むむむ~~……やぁーー!!!!」
「魔法強化で火力を上げて、ただの物理攻撃? 避ければいい話。当たらない。……?!」
「あ……!」
ティロちゃんの拳がリリスの横を通り抜け、壁に当たると共に、その壁は粉々に砕け散った。
「は…? な、なに?」
そして、壁の向こうに……
――――
「と、いうワケです。」
「壁壊したのは後で請求してやるから!」
「王女様なんですからそのくらいいいじゃないですか。」
「いいわけないでしょ!」
「じゃ、じゃあこの後はなにするんですか?」
「決まってるじゃない、私達全員とあなた達で勝負よ!」
「また勝負なの~? 壁壊しちゃうかも……」
「それは不味くないっすか、アルスさん? また王サマに怒られちゃうっすよ」
「…………」
「あ、アルスさん?」
「もういいわ!! あんたのところの団長は返してやらない!」
「え、えぇ?! レイ先輩、どうしましょう……?」
「ま、良いんじゃない? 別にいなくても……ねぇ?」
「そ、そんな殺生な……」
「ふん!」
そうしてる間に、アルスさんはどこかに歩いていってしまった。
お兄ちゃん……どうなってしまうのだろう
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