赤き騎士団
67話目です。
「団長、いなかったの?」
「そう。」
「どこにいっちゃったんですか?」
「城の地下。」
「地下なんて入れるんですか」
「入れなかったら置いて帰るしかないわね。」
広いお城の廊下を、地下へと続く階段のある方へつかつかと歩いていく。
みんながお城に戻ってくるのを待ってもいられないので、二人で繁華街まで行ってみんなを探していたのだが、これがまた、みんなバラバラに行動しているものだから全く集まらない。
一人見つけたと思ったらまたふらふらと屋台を見に行ってしまうし、レイ先輩はそれに対してキレ気味に対応をしていた。この人たちは本当にひとつのチームなのか……?
「地下って、やはり地下牢ってことですかね。団長さんは捕まってるんでしょうか……」
「まだわかんないよ! 地下にさっきの繁華街みたいなのがあるかもしれないし!」
「カルソーヌ名物苺氷。冷たくて甘い一口……」
ハル君は比較的真面目にこの先の事を考えているが、ティロちゃんは広がる地下に思いを馳せているし、ルーノ先輩に至っては何か食べてる。いつの間に……
「でも……この階段の下、比較的明るいみたいよ?」
「本当ですね。階段は相変わらず長いですけど……光が見えます。」
「滑らないようにね」
光が見えると行っても道中かなり暗かったので、みんなが足元を気にして階段を下っていく。そして、段々と光が近づいて来て……
「遅かったわね、アンタたち!」
待っていたのは、赤い巻き髪の女の子だった。
「何、あなたたち。会ったことあるかしら。」
「ないわ! でも話は知ってる。最近の力をつけてきた結社でしょ。」
「そうなの? どこでそういうのわかるのかしら。で、あなたたちは?」
「私達……私は、この国の第一王女、アルス・グレイスよ!」
「だ、第一王女?! お姫様って事ですか!」
「そうよ、恐れおののきなさい。そして私達は、結社ランキング最上位、『赤の騎士団』よ!」
「ランキングなんてあるんですか?」
「知らなかったわ。」
「そして私達の今の目標は同業者の視察、対決!」
「ということは?」
「勝負よ、ネームレスさん!」
「ネ、ネームレス?」
「ギルドの名前ねぇ……団長がめんどくさがって決めてないのよ。」
「格好がつきませんね……」
「というか、団長は? 返してくれたら戦っても良いんだけど。」
「それを知りたければ、まずはうちの一人目と戦うことね。」
「ひ、一人目って……」
「出てきなさい、ザック!」
その声と同時に、「はーーい!」と元気で、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「さっきぶりっすね、お二人さん!」
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