虹の橋の向こうまで
66話目です。
あれからまた30分程まって、ようやく上の階から兵士さんが降りてきた。
「お待たせいたしました。ご用件はなんでしょう。」
「とりあえず、ここの屋上に入れてくれない?」
「少々お待ちください。」
また待たされるのかとうんざりしていたが、そんなことはなかった。
割とすぐに戻ってきて、屋上に入って良いと言ってくれた。
ルーノ先輩や皆は全く戻ってくる気配がなかったので置いて、二人で上の階へ向かった。
「このお城、何回建てだかわかんないけど螺旋階段が無駄に長かったわね。」
「もはや塔みたいな高さですよね、これ……」
そんな話をしながらぐるぐるぐるぐると廻りながら上ってきた螺旋階段の執着の、屋上階に繋がっている扉のまえまで来ていた。
果たしてこの先に本当にお兄ちゃんがいるのか。
いたとして、誘拐したのは一体何者なのか。どんな目的なのか。
…………大した目的で無さそうな点はとりあえずおいておこう。
「じゃあ、開けるわよ」
「はい。」
そして、ゆっくりと扉を押して開けた。
そこには……
「……誰も、いない?」
「みたいね。待たされ損だわ。」
「あっ! なんか落ちてますよ!」
「なに? これ、手紙?」
「よ、よみますね」
『騙されたな!
お前達のリーダーはこの城の地下に繋がれている! 地下牢の扉は鍵なしでは決して開かない!
せいぜい無力さに打ちのめされるが良い!
ハハハハハハ!』
「レイ先輩……」
「……」
「せ、先輩?」
「あいつら、呼んできて。」
「は、はい!」
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