月も星も
57話目です。
たった今買い物を済ませ、帰路に着いたところだ。ほんとうはもう一度図書館によりたいがその余裕は無さそうだ。
時間はまだお昼前。昼御飯は取っても軽食で良いとして、夜はどうしよう……お兄ちゃん達が早く帰ってくるのを願うしかないのか。
「魔物が出たぞーー!!!!」
「魔物?!」
街の商人や住人が反対方向へ走っていった。今いるのは集会所とは反対側。比較的大きな街で、防衛の最前線から正反対に魔物が出たので、みんな集会所の人に助けを求めに走っている。
「ど、どうしましょうルーノ先輩!」
「え? 何が?」
「魔物ですよ!」
「あー、あれね。なんかあったの?」
「街が壊されちゃいますよ!」
「マズいの?」
「マズいでしょ!」
「ふーん。じゃあ…………」
呆れ混じりに大声で危機を知らせていたら、いつの間にか目の前のルーノ先輩が上空に瞬間移動していた。
「真っ二つだー」
手に持っている巨大な斧? を大きく振り下ろすと、目の前の魔物は真っ二つに避けてしまった。
「す、すごいですね……先輩……」
「この斧、重すぎてあんまり上手く戦えないから変えたい。」
「あんなに高く飛んでいて上手く戦えてないんですか?」
「もっと飛べる。」
ティロちゃんといい、この世界の人たちは魔法だけでなく身体能力も並外れた人が多い気がする……
助けを求めて集会所に行き、戻って来た人たちが魔物がすでに倒されているのを見て困惑するのを尻目に私たちは速足で家に帰っていった。
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