館へ
5話目です。
戦闘とかの描写がまだよくわかってないです……
「クロネちゃんが連れてかれちゃった! は、早く追いかけなきゃ!」
「落ち着いて、ティロ。居間のように引きずり込まれるなら用心しなきゃ。どうしたものか……」
着いた途端に館の中へと引きずり込まれた事に驚き、動揺しているティロをハルが諌めている。
ハルの言う通り、無闇に行動したら全員捕まって終わりになってしまう。どうしようかと頭を悩ませていると突然、扉が音を立てて開いた。
「またか……?!」
また、あの帯が飛び出してくるという予測の下警戒の体制を取るが、思っていたのとは違い、扉から影が伸びてきた。
「イラッシャイマセ。」
機械音で歓迎の言葉を述べたのは子供用のスーツを着た少年の人形だった。
「お人形さん……?」
予想に反して可愛らしいものが出てきた驚きに、思わずティロが声を出した。
「ドウゾ、ナカヘオハイリクダサイ。」
「団長……あぁいってますが、どうしますか。」
「そうだな……依頼のために館を調べないといけないが、突っ込んでもあの館が魔法による物だったら太刀打ちができないし……何よりクロネを探さないと行けない。着いていった方がいいだろう。」
その言葉に肯定を返されれば、ぞろぞろと人形と共に館の中へ入っていく。
――――――バタン!!
「勝手に扉が閉まった!」
「罠だったか……」
大きな音を立てて閉まった扉に影が差す。少年の人形がメキメキと音を立てて形を変え、人間のかたちではなくなっていった。
「人形と魔物ってどっちの方が強いんでしょう?」
「魔法がかかってる分人形のが強いんじゃないかな?」
「どちらにせよ警戒しないと、あの大きさじゃ捻り潰されるかもしれないぞ。」
そういった直後拳が振り下ろされる。それぞれが別の方向に避け、床にへこみができる。
「わぁー、すっごいね!じゃあ…………
私の魔法「怪力」とどっちが強いか勝負しよ!!」
豪奢に飾られていた階段のてすりをバキバキと剥がし、持ち上げる。そのまま人形へと叩き込むと、人形は鈍い音を立ててバラバラになった。
「……魔物の方が強かった。」
ムスッとして不満の声を漏らす。まぁ大きな問題がなくてよかったと三人で安堵していた。
「うわあああああああああ!!!!!」
「「「!!!!」」」
悲鳴の聞こえた方へと走る。壁の壊れた部屋の中を見ると、クロネが気絶しているようだった。
「クロネちゃん!!しっかり!」
「気絶しているだけだ、落ち着いて。」
「とりあえず応急処置をしよう。」
「そうしようそうしよう」
「今、四つ声が……」
後ろを振り向く。そこには
「はじめまして、私のお友だちになって!!」
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