僕の輪廻
48話目です。
あれからかなり時間が経った。兄さんとは殆ど話していない、喧嘩のような状況のまま。
話し相手がいないとなると気分的にも変わってくるもので、時間の進みが恐ろしく遅く感じられた。
もし僕がいなくなれば、こんなに退屈でつまらない時間を兄さんは生きなければならない。そして、僕はそれを忘れて生きていく。
やはり、そんなのはだめだ。兄弟でなくても、そばにいたいと、いてほしいと思うだろう。
「アストラル。」
「…………どうしたの?」
何年ぶりに兄さんと話しただろう。急に話しかけられたので反応が遅れたが、どうして今突然話しかけてきたんだ?
「外を見てみろ。」
「外?」
言われた通りに窓から外を覗く。
この宇宙も見慣れたもんだと思ってはいたが、少し目を離しただけで大きく世界は変わっていた。
無数の輝く星、そうでない星。
星々はとぐろを巻いて一団となり、数多の銀河になっていた。
僕が見ていたのは個々の星達で、集団として見たのは初めてだった。
「すごい、星も増えたね。」
「そっちもだが、あそこだ。」
兄さんが指差す方をよく見てみると、最後に見たときよりかなり大きくなった太陽が見えた。
どうやら、太陽を中心として小さな星のまとまりがあるようだ。
「ほら、太陽から3番目に離れてる星。あれが地球だ。」
地球。僕たちが生きていた星。
あの時は、空に浮かぶ星と自分達の生きている大地が同じものだとは到底考えもつかなかった。
でも、自分の生きる世界こそがすべてだったあのときからしたら、僕のすべては、世界は随分と広がった。
しかし、聞いていた話と地球の様子が少し違う。
「あれ? 地球は青とか緑の星じゃないの?」
「そうなんだがな、あれはまだ出来たばかりだから、黒く焼けているんだ。俺たちからすれば慣れたものだが、これから長い年月をかけてあの星に雨が降る。雨が降ればどうなると思う?」
「雨水が溜まる?」
「そう。溜まった水が海だ。俺達も含め、あらゆる生物の故郷。」
「緑は?」
「焼けていた大地が雨で冷やされる。そこに生物は進出する。それで生まれたのが草の色、緑の大地だ。」
「すごいんだね。」
「人間が生まれるのはまだまだ先だがな。アストラル、本当に行かないのか?」
「行かないよ。」
「どうして……」
「人間が生まれてからそんなに経たない内に、この世界は終わるんでしょ?だったらその時まで一緒にいるよ。一人じゃ兄さん寂しいよ。」
「でも……」
「普通の人間として生きた方が良いのは、兄さんが言うならそうなんだと思う。でも僕は、兄さんと兄弟だから、二人じゃないとダメなんだよ。」
「…………そうか。なら、仕方ないな。」
少しはにかんでそういった。
どうやら納得してくれたようだけど、世界が終わるって、つまりどういうことなんだろう。考えたこともなかった。
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