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戦場に靡く白衣

25話目です。


「基地に着きました。降りてください。」

「ありがとうございました。」


スミスさんと共に輸送挺を降りると、元気の無さそうな色の草の草原の上に無数のテントが張られている。


「スミスさん、このテントは?」

「入れば分かりますよ。先ずは第一テントです。」


戦線のテント……何となくわかったかもしれない。


「フローレ殿。よくぞお越しになった。」

「カルテを見せてください。魔法で治療した者から。未処置の者は応急処置をしてください。」

「分かりました。」


スミスさんはそういってカルテをめくり始めた。魔法で治療したあとに、何かすることがあるのだろうか?


「スミスさん、これから何をするんですか?」

「怪我人の治療です。戦争で傷付いた兵士がここに運ばれてくるので、私はその人達を、魔法を使わずに治療します。」


カルテを見ながら返事をしてくれた。が……


「何で魔法で治療した人をもう一度治療するんですか?」

「先程も言いましたが、相手国には魔法を無効化する力があります。魔法は大怪我も一瞬にして直すことができますが、人間の治癒力を越えた治癒魔法は無効化されてしまうとまた傷が現れます。ですので、魔法で応急処置をした後、私が治療を施します。」

「なぜスミスさんが?他にも治療出来る人はいるんじゃないんですか?」

「いません。世界にある医療本には魔法での対処の仕方しか書かれていません。」

「じゃあ、何でスミスさんは魔法以外での治療を知っているんですか?」

「私は、私の家に魔法によらない医療の本がありました。酷く古く、埃を被っていましたが。それを読み、医療を身に付け自国の軍医として戦争に参加しました。最初は魔法を使わないことに理解を得られませんでしたが、国がその意味に気づいたのでしょう。今のように私はあらゆる戦場に呼び出されています。」

「大変じゃないんですか?」

「確かに、ゆっくりする時間などは殆どありません。ですが、私の力が誰かの命を救うことに繋がるのなら、何ともありません。」



……この人だけが持ってる知識を、人のために体を粉にして無償で提供している。大きな信念を持っているこの人がかっこいいと思えた。

最後まで読んで頂いた方、誠にありがとうございます。

面白かったらブックマーク、感想お待ちしております。

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