光掲げる貴婦人
23話目です。
新しい人が出てきます。
「……なるほど。東の小国に行きたいのね。」
「はい。この紙の通りに行けと言われたのですが……」
「まぁ良いけど、あの国は今戦時中なのよ。」
「そ、そうなんですか?じゃあ行けない?」
「いえ、行けないこともないけども、まぁ多少は危険かもね。」
「そうですよね……」
当然だ。戦禍の町に自分から行くなんて危険すぎる。
「そちらの方、東の国へ行くのですか。」
「は、はい。あなたは?」
「私はスミスと申します。あなたと同じく、これから東の国へ行きます。」
「まだ行くと決まったわけじゃ……」
「でも、行きたいのでしょう?なら丁度良いです。あなたは私が守りましょう。共に国へいくのです。」
「どうするの?」
「えっと……」
危険があるならあまり行きたく無いが、「守る」と言われた。夏野さんもせっかく私のために教えてくれたんだ。だから……
「――――一緒に、行きます。」
「危ないかもしれないわよ?本当に大丈夫?」
「はい、行くと決めたので!」
「何かあっても私が直すし、助けます。あなたの名は?」
「くろねです。よろしくお願いします。」
「じゃあ、後ろの五番出口から出て輸送魔法科の案内所まで行きなさい。」
「ありがとうございます!」
ぺこりとお辞儀をして出口を出る。少し歩くと輸送魔法科と書かれた札が見えた。
「あれですね。」
「あの、スミスさんはなぜ東の国に行くんですか?」
「女王に呼ばれたのです。私の力が必要と言われました。」
「じょ、女王様に?! スミスさんって偉い人?!」
「いえ、私はただの医者です。権力など持っていません。」
「でも、すごいことですよね……」
「他の医者が魔法に頼るから私が必要なのです。私がすごいのではありません。」
「そうですか……」
輸送魔法科で案内を受け、東の国行きの船?のようなものに乗り込む。この人は一体何者なのだろう……
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