続く交戦
136話目です。
「……っ、ティロ!」
「はーい!」
穴に落ちていく間に、お兄ちゃんがティロちゃんを呼んだ。
何かと思っていると、ティロちゃんは壁を蹴って加速し、穴の底にいち早く消えていった。
……落ちる前の記憶は底までだった。
気がつくと、痛みもなく衝撃も受けず、そっと地面の上にいた。
「くろねちゃん、大丈夫?」
私の顔を覗き込んできたのはティロちゃんだった。
流石にあの高さは無傷では済まないと思っていたのに、自分のからだがどこも痛くもないし、砂の一粒も付いていない事に疑問しか浮かばなかった。
「な、ど、どうして……」
「私が先にここに降りてきて、皆が降ってくるのをキャッチしたんだよ!」
あれほどの高さから落ちてくる人間をキャッチした?
いくらティロちゃんでも腕が簡単に折れてしまいそうなものだが……
「助かってよかったね!」
「いや、そうも言えないぞ。回り見てみろ。」
言われた通りに部屋を見回せば、部屋の壁の穴より一回り大きい穴から魔物が覗いているのが嫌でもわかった。
「ま、また囲まれた……?」
「みたいだな。でも、討伐が目的だから逃げてばかりもいられねぇ。」
「よーし、じゃあやっちゃおー!」
部屋の壁一周に空いている穴から魔物がたくさん入ってきた。
まるで包囲網のように隙間なく出口を埋め、こちらを睨んでいる。
ティロちゃんが真っ先に飛び出し、それを追うように魔物達も波になって動き出した。
「二手に別れるぞ! レイとハルはこっちだ!」
「はいはい。」
「了解です!」
広い部屋を二分するように透明な壁が私達とお兄ちゃん達の間に作り出された。
「こっちはこっちで勝手にやれってことね……じゃあ自由にやらせてもらうわ……!」
チッタちゃんは魔物の方に向き直し、杖から青い炎を生み出した。
ルーノ先輩も、既に魔物の群れの中に飛び込んで何体かをぶっ飛ばしてしまっていた。
ここが今までに見た中で一番広い部屋の様だし、底の見えない魔物達の猛攻が続くこの場所は、この城の中心部分なのだろうか?
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