地底の帝国
134話目です。
「目的地がわからないからさ迷ってたら、部屋にいた魔物達が一斉に飛び出していったから、何かと思って付いていったら流れ流されてここに着いたんだ。」
「今まで見た魔物の中で、女王っぽいのは居なかったわ。それは多分おんなじよね。」
「あぁ、ただなんとなく歩いてただけだからな。……で、この部屋は何なんだ?」
「見た感じ、何にもない部屋みたいだけど……でも、私達が最初に落ちた部屋は、隠し通路があったわ。」
「じゃあ、この部屋にもそれがあるってことか? でもあいつら、隠し通路なんて作れるくらい頭良いんだな。」
「まぁ、いつの間にか通路が埋まっちゃってたのかもしれないけど……それほど昔に出来た巣だとしたら、何でまだ駆除されてないのよって話になるわね。」
「あれ? でも、巣を駆除したり、魔物を退治したりするのが私達の仕事だから、今も駆除されてないのは誰も依頼達成できなかったからじゃないんですか?」
「まぁ、大部分の依頼はそうなんだけどな。でも、こんだけ繁殖して、巣もでかいなら、「本職」が動くはずなんだよな。」
「本職? 狩人とは違って?」
「あぁ、ここも国の領土だからな。もしそういった、俺たちでは手に負えないような害獣の駆除は、国の兵隊がやるんだ。」
「国の兵隊の方が強いんですか?」
「エリート中のエリートだぞ。領内なら魔術を制限なく使えるし、人数が多くて規律もとれてるからな。まぁ、それでもだめだったら魔術協会が出てくるが。」
「魔術協会……強そう。」
「兵隊は弱そうなのにか? 確かに魔術協会が手を施した依頼はこれ以上ないくらいにきれいさっぱり片付くからな。どんな手段を使ってるのかは知らないが、環境にこれっぽっちの影響もなく目的の魔物だけを消せるらしいんだ。」
「本当に本当の最終手段ですね……」
「でも、そこまでいくとお金がかかっちまうから、出来れば俺達が倒せれば良いなって事なんだ。兵隊達の給料もバカになら無いし。」
「でも、この依頼って、難易度が低い方なんですよね? 危険視されてないってことじゃ……」
「挑戦した結社が少ないのか、もしくは依頼されて直ぐだったんじゃないか? そうでもなかったらいくら魔物の一体一体は弱いからって甘く見すぎ出し。それにしては巣が大きいんだよなぁ」
兵隊達の話を聞いて思ったが、この虫達もまるで兵隊のようだった。
私達を一斉に追いかけてきたり、部屋同士の連絡も行き渡っているようだった。
隠されるように生成された城は、まだなにか秘密を隠しているのかもしれない。
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