邂逅
133話目
「あの……これ、もしかして罠だったんですかね……?」
「いや、こいつらは多分上からあのぶよぶよが降ってくると思って待ってたんだわ。まだ教われてないし、きっとここは食料の出口なのよ。」
「じゃ、じゃあここの魔物達がさっきのよりも大きいのは……?」
「それは多分、オスだからね。こういう魔物はメスが狩に出掛けるのよ。」
「じゃあ、襲われないですかね?」
「そう……だと良いけど、まぁ……」
魔物のうちの一匹がチッタちゃんの方に突進してきたが、彼女は難なく杖で払い落とした。
「そう簡単には、行かないと思うわ。」
私達も、下がこうなってるとは予想していなかったし、魔物達も餌ではなく敵が降ってくるとは思ってもいなかったのだろう。
ようやく事態を飲み込んだらしい魔物達が束になって襲いかかってくる。
「チッタちゃん、この魔物さんたち、大きいけど軽いよ!」
「やっぱり戦闘には慣れてないのかしら。早く終われば良いけど……」
しかし、ここの部屋は今までの部屋と違いたくさんの別の部屋と繋がっているらしく、壁の穴から次々と大きいもの小さいものまぜこぜで飛び出してきた。
「ここだと四方を囲まれるし、どんどん敵が来てキリがないわ! どこかに一か八かで飛び込んで見ましょう!」
「しかし、挟み撃ちにされるんじゃ……」
「ここじゃ流石に体力も削られるし、そうなったら一方の敵だけ倒せば良いからそっちのが楽よ!」
「じゃあ、私達どの穴にいくの?」
「う~ん……あ、あの一番大きい穴!」
「おっけー!!」
チッタちゃんが指差した穴に向かって、ティロちゃんが一気に群れの中に突っ込み道を切り開いた。「今だ!」という声と同時に全員一気に穴の中に飛び込んだ。続々追ってくる魔物から逃げて右に曲がり左に曲がり……やがて見知らぬ部屋にたどり着いた。
「…………はあ! つ、疲れた……まさかあんなにしつこいとは……」
「でも、なんとか撒けた見たいですね……でも、ここは……?」
「また、何もない部屋? 建築ミス過ぎない?」
「まぁ、最近出来た巣見たいですし……?」
そんな話をしながら息を調え、壁や床を調べるが、やはり何もない。入ってきたところに戻るしかないようだが……
「……あれ、お前ら何やってんだ?」
声の方を振り替えると、見慣れた顔が並んでいた。
「団長さん! どうしたの? 何で私達のいる場所が分かったの?!」
「落ち着けティロ、俺たちも良くわからん。とにかく、皆無事だったか?」
予想外の合流だった。ここに来るまでの長い廊下のような道には幾つか曲がり道があったが、いつしか合流していたのだろうか……?
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