蝶のように舞い
132話目です。
「……よし、これで皆倒したわね。結局これ何なのかしら。」
「魔物さん達が守ってたってことは、魔物さん達のご飯じゃないかな?」
「花の花粉や蜜……ってこと? 固めたのかしら。」
「なんか良い匂いするし、きっとそうだよ! これをどかしたら何かあるんじゃないかな?」
たくさんある花粉団子を一つずつどかしていくと、床には丁度大きな団子が入るくらいの穴が開いていることがわかった。
「何かしら、この穴。下に続いてるみたいだけど……」
「これが餌なら、魔物がたくさんいる所に繋がっているんじゃないでしょうか。」
「……入ってみる?」
「どうでしょう……私達だけで大丈夫かどうか……」
「そっちの方は心配ないと思うけど……ここが目当てのばしょだったとして、向こうの人たちはたどり着けるのかしら?」
「かといって、ここからさらに別れて行動するのは危ないですしね……どうしましょうか。」
香子さんとチッタちゃんが頭を悩ませている間に、ティロちゃんが穴に近寄って観察していた。
「うーん……何も見えないし聞こえないけど、行ってみるしかないんじゃないかな? ここで待ってても、この穴と入ってきたところ以外に出入り口はないみたいだし。」
「……そうね。じゃあ行ってみましょうか。」
「落ちても痛くないかな? 大丈夫かな?」
「まぁ信じるしかないわ。私が先に行くから、付いてきて。」
そう言ってチッタちゃんは躊躇いなく穴の中に入っていってしまった。
「じゃあ、次は私がいくね!」
ティロちゃんもいつも通りに元気良く飛び込んでいった。
「あ……わ、わたしが先に」
「では、くろねさんは付いてきてくださいね。」
「えっ?」
そして香子さんも、振り返りもせず穴の中に消えていった。
躊躇いもあるし、怖いのだが、皆行ってしまった以上行くしかない。
「う、うわあああああああ!」
穴の中は思ったより急で、ものすごいスピードで滑り落ちた。
落ちた衝撃で思い切り尻餅をついたが、痛いところはなかった。
恐る恐る目を開けると……
先程より一回りも二回りも大きな虫達が私達を取り囲んでいた。
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