表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

130/140

不良の心持ち

130話目です。

「チッタさん、空洞がありそうな扉を見つけました!」

「オッケー。ちょっと待って。あと少しで解呪できるから。」


そう言ってチッタちゃんは、地面に置いた女の子の人形の頭を撫でた。

すると人形は、ケタケタと少し不気味な笑い声を上げ始めた。しばらくすると動かなくなったが……


「……よし、出来たわよ。」

「あの、チッタちゃん、今のは?」

「魔法を移したのよ。直接的な解呪は面倒だから、この子に壁の魔法を転移させたの。ほら、カッチコチよ。」


チッタちゃんが撫でたときは柔らかそうに首を降っていたのに、触ってみるとその人形は石のように固かった。

なるほど。壁の魔法だけをその人形に移せば、余計に疲れなくて済む。新たな魔法が産み出される意味と言うのは科学と変わらないのだろう。人間はいつだって、より便利でより強い力を持つものを求め続けている。


「これでもう壁を壊せるはずよ。」

「おっけー! じゃあもう一回! てやあぁぁぁあ!」


さっき見つけた空洞がありそうな壁に向かって走り、同じように一発拳を叩きつけた。

すると今度はティロちゃんの拳が触れると同時に壁はぶっ飛び粉々になった。


「……強烈ね。まぁ良いわ。あなた達の思った通り、道があるわね。」


砂埃が晴れると、少し暗いが奥へと続く道がはっきりと存在していた。


「団長さんたち、この先にいるのかな? お~~い!」

「…………流石に返事はないと思うけど。まぁ取りあえずここ行ってみないと。本当にこの先に他の人達がいるかもしれないしね。」

「そうですね! 早めに皆さんと合流しましょう。」

「そういえば、最初に予定していたより大分時間かかってるし、もしかすると帰るのは夜になるかもしれないというか、夜になるだろうけど、香子さん(あなた)は大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ、多分。」

「多分って……危ういわね。」

「でも、もう遅いからと言えど今さら帰りたくないですし、そもそも帰れませんよ。」

「まぁそうだけど……あなたのお父様は心配とかしてないの?」

「少し位大丈夫ですよきっと。お友だちと遊んできただけですから。」


そう言って一番先に壁の穴に入っていってしまった。

今の反応的に、もしかすると香子さんは、お父さんのことがあまり好きではないのかも……?

最後まで読んで頂いた方、誠にありがとうございます。

面白かったらブックマーク、感想よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ