天元の花
123話目です。
「よし、正面突破は難しいから、チッタとハル、ルーノは外で応戦してくれ! 俺たちは中央突破して城の中で戦う!」
「りょ、了解です! 気を付けてください、ティロちゃん!」
「オッケー! ハル君も元気でね!」
ハル君は、虫が苦手ながらも飛び込んでくる魔物を小さなナイフのようなもので切って落としていたのだが、ついに我慢ならなくなったのか魔法で薙刀のような長物を振り回して飛んでくる敵を一網打尽に叩き落とした。
流石に慣れているのか、前にもこんなことがあったのかは分からないが、苦手ながらもルーノ先輩やチッタちゃんに負けずに戦っている。私も虫は得意ではないので、城に飛び込んで行くのは正直めちゃめちゃに嫌だが、外にも中にも虫がいるのは変わらないのでお兄ちゃん達に付いていく。
「城の中にどれくらいいるか分からないから、皆、離れるなよ!」
「はーい! 虫の女王様を見つければ良いんだよね! 頑張ろうね、香子さん!」
「はい、ティロさん!」
――――
そうして、なんとか城の前にたどり着いた。
目の前の虫達の城は蜂の巣のように無数に穴が開いていて、距離が近いとちょっとキツい事が分かった……
「よし、中に入ろう……と言いたいところだが、城門的なものはないんだな。まぁ当たり前といえば当たり前なんだが……敵が飛び出してくるかもしれない、気を付けないとな。」
「数が多すぎるせいで探知魔法も使えないわ。中は向こうの独壇場かもね。こういう虫は社会性があるっていうし。」
「そうなんですか? そんな虫もいるのですね! 素敵!」
素敵なのかは果たして分からないが……まぁ香子さんが虫嫌いじゃなくて良かったのだろう。魔物の体が玉虫のようにキラキラとするのを見て、香子さんも目をキラキラさせている。
「なぁ、レイ。もし虫に囲まれたらどうすれば良いんだ?」
「そうね……まぁ炎とかは効くんじゃない? 虫だし。」
「そうか、じゃあお前も活躍できるな、くろね!」
「え?! わ、私?!」
「おう。炎魔法の使い所だろ?」
「た、確かにそうだけど……でも……」
まだ、魔法は十分に使えないのに……!
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