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120/140

春の訪れはたおやかに

120話目です。

「えー、それでは、今から出発する依頼(クエスト)を達成するために、作戦会議を行う。用意は良いか皆さん。」

「オッケーだよ、団長さん! でも、作戦会議なんて今までやったことあったっけ?」

「作戦会議! これから長い旅が始まるというのが感じられる、良い響きですね!」

「今回の依頼(クエスト)はさっき言ったように非常にめんどくさい! だから綿密に作戦を練って迅速に事を済ませて、何事もなかったかのように帰ってくる。良いな?」

「はーい!」

「な、長い旅だと思っていたのですが……仕方ありませんね、皆さんに迷惑をかけるわけには行きませんし……」

「えー?! 迷惑なんかじゃないよ! ねぇねぇ団長さん、やっぱり作戦なんて要らないんじゃない?」

「ダーメ! 作戦立てないと大変なことになるんだからな! ちゃんと話も聞いてろよ!」

「はぁーい。」


ティロちゃんは不服そうにほっぺたを膨らませているが、作戦会議の内容は一応聞いてはいるようなので問題は無いだろう。

実際は、この作戦会議自体が作戦なのだが。


――――


「……いいか、俺たちの本当の作戦はこうだ。まず目的地についたら普通に巣を探すフリをして、レイが魔法で先に巣を見つけておく。」

「はいはい、探知魔法ね。」

「それで見つけた巣に俺とルーノとくろねで行って、半分以上は倒しておく。その間はチッタとレイはあいつらと一緒に巣を探しててくれ。」

「えぇ、面倒くさ……なんで私が……」

「で、残ったもう半分を香子さん達に倒してもらう。これで完璧だろ! 俺天才!」

「そんなに上手くいかないと思うけど。というか偉いとこのお嬢さんをそんな感じで騙しても良いの?」

「怪我されるよりは万倍マシだろ……下手したら牢屋とかに入れられるかもしれないんだぜ?」

「それは嫌だけども。こんな五分で考えたような作戦で本当に大丈夫なの?」

「わからん! でも考えないよりマシだろ。こんな時間まで残ってる依頼(クエスト)なんて大抵曰く付きだろうしダメ元だよ。」


――――


こんな感じで、なんだかよさそうな作戦を思い付いたからそれを実行してみて、ダメだったら普通に戦うという、失敗するのが前提のような作戦が立てられてしまったのである。

つまり、今目の前で繰り広げられている「作戦会議」は、さっきの作戦が上手く行くための事前準備である。これがもし上手く行けば、確かにかなり簡単に依頼(クエスト)を達成できる。でも、そういうときに上手くいかないのがお兄ちゃんだ。今回こそは成功すれば良いのだが。

最後まで読んで頂いた方、誠にありがとうございます。

面白かったらブックマーク、感想よろしくお願いします。

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