虹の朝露
116話目です。
「おはようございます、くろねさん。昨晩はよく寝られましたか?」
「はい、ありがとうございました。」
朝一番、香子さんと優雅で爽やかな朝の挨拶を交わした。正直にいえば寝た時間が時間なので眠気はあるのだが、布団の寝心地が良すぎて疲れは吹き飛んでしまった。
「まだ皆さん起きてこられないようですので、食堂で待っていてくださいね。」
「わかりました。」
泊めてもらった上に、朝御飯まで用意してもらって申し訳ないが、断るわけにもいかないので大人しく食堂に向かった。
お兄ちゃんやティロちゃん、ルーノ先輩はまだ起きていないそうだが、三人は昨日私よりも動いていたし、終わったあともひどく疲れていたようだったので仕方がないだろう。
そんなことを考えながら食堂に続く大きな扉を開けると、何人が座れるんだと言うほど長いテーブルと、椅子。美味しそうな匂いのする朝食が用意されていて、思わずため息をついてしまった。
香子さんのお家は見る限りでは洋風で、インテリアも、朝食のメニューも和というよりは洋だった。けれど、香子さんは今朝もとても高そうな着物に身を包んでいた。和洋折衷といった感じなのだろうか。
考えてみれば、完璧にどこの国の文化だと言えるような建物や食べ物などは、この世界では見かけない気がする。集会所の街の家々も、レンガで出来た建物が多かったが、特にこれといった国や文化の雰囲気は感じなかった。
フローレさんと東の国に行った時に思ったが、この世界には言語の違いと言うものが無いのかもしれない。たまたま同じ言葉が使われている国だったと言う可能性もあるが、もしもこの世界の国々が独自の文化や生活を築いていないのならば、この色んなものが混ざりあったような空気感も理解できる。
「おっはよー! くろねちゃん、昨日ぶりだね!」
「おはようティロちゃん、昨日ぶり。お家の人が、朝御飯用意してくれたんだって。」
「本当? うん、うんうん……確かに! 良い匂いがするね!」
扉を勢いよく開けて食堂内に入ってきたティロちゃんは、今日もいつも通り元気なようだ。あとの二人も、開けっぱなしになった扉の方から眠そうに入ってきて、朝食の用意されている席に座った。そして、最後に香子さんが席についた。
「皆さんお揃いですね、それでは……」
「「「いただきます。」」」
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