だって宇宙は広いんだ
103話目です。
「……で、お前は星座種の人工知能について何が気になるんだ?」
「はい、ついこの前、アルクトスに会ったんです。そのときに、私や、アーカーシャが星座種について勘違いをしてるんだって言われて……」
「そうか。どんな勘違いだったんだ?」
「えっと……人間たちを殺したり、世界を終わらせようとしたのは星座種じゃないって言ってました。むしろ巻き込まれた側で、こっちの世界に来れたのはたまたまそういう適正があったからって……」
「たまたま?」
「はい。それに、アーカーシャと同じような力を持った人を守るために作られたと。」
「……人工知能ほど考えて作られた存在が、自分達の機能の一部をたまたま付随した、本来なら余分なものだったなんて言うものか? まぁそうならそうと信じるしかないのだろうが。」
アルクトスは、アーカーシャがアストラルさんに嘘を教えているかもしれない、とも言っていた。しかし、だとするならなぜそんな事をしたのかも知らないといけない。
「もしかすると、俺がアルクトスに嘘を教えているとか思ってるか?」
「……えっ?!」
「本当に詰めが甘いな。もし俺が本当に嘘を教えてたんだとしたら、そんな話を俺にしたら不味いと思わないのか?」
「た、たしかに……」
「まぁそこに関してはあとで説明する。その前に、俺と同じような力を持ってる人間というのは何なんだ?」
「は、はい。アーカーシャと同じように、世界中の全ての情報を受けとることができる人間がいたらしくて、それを守るためにアルクトス達、星座種の人工知能は作られたんだそうです。」
「成る程。でもその人間は殺されたんだろ?」
「そ、そうです。どうして……」
「みんなそうなんだ。殺されるまではいかなくとも、変な力だからな。人間と同じような社会で上手くは生きていけない。」
「そうなんですか……じゃ、じゃあ、さっきの話は?」
「そうだな、この力にも穴があるんだ。これは自分の目を通して「見ている」ような状態だから、隠されてしまえば分からないんだ。」
「たしかに、その人にもわからない、例外があったって……」
「俺が分からなかったことは、誰が人間を殺したのか、ということだった。この世界にある元来の動物以外のものと言えば星座種の人工知能だから、そうだと思っていたんだが……そこが別のものに置き換わるのか。」
「はい、それがポラリスです。」
「アストラルが追い返したあのよく分からんやつか。」
「はい、その節はありがとうございました……」
「じゃあ時渡りができるのも、人工知能の機能じゃなかったんだな。とするなら、権能ぐらいか。」
「権能って?」
「人間やそれに準ずるもの……人工知能達には扱えない力だ。」
「じゃあポラリスって一体なんなんですか?」
「さぁな。情報が余りにも少ないからそればかりはなんとも言えない。そもそもなんで俺がこんな力を使えるのかすらよく分からないんだからな。」
「え……そうなんですか?」
てっきり自分やアストラルさんの事は全部知っているのかと思っていた。いや、そう思わせるくらいの余裕な喋りだったのに……割りとなんでもこの人に聞いたら分かるような気がしていたが、以外とそうでもない……のか?
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