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102/140

星の光を知る者よ

102話目です。

取っ手に掛けた手が、後ろから止められた。

しかし、全く驚いた素振りも見せずにベガちゃんは喋り出した。


「……私はこの中に入れてくれないの? どうして?」

「お前は危険だからだ。」

「あなただけ独り占めしてずるいわ。」

「兄さんは僕の兄さんだ。」

「いつまでもそんな縁にこだわって、子供みたい。」

「子供でいいよ。お前みたいなやつから兄さんを守れるなら、なんでも。」

「守れないわ。アーカーシャは殺されるのよ。あなたがどれだけ頑張って見張ったって。あの人の内臓(なかみ)まで守れる訳じゃないでしょ?」

「そんなこと、絶対にさせない。」

「あなた程度じゃ無理よ。一体いつまで一人で見栄を張ってるつもりなの? 今に限界が来るわ。」

「お前だって兄さんを殺せないだろ。」

「ふふ、そうね。じゃあ、今日はもう変えるわ。またね、お姉ちゃん。」


そういって、何かの魔法で姿を消してしまった。

ベガちゃんと話していた人……アストラルさんの方を振り向くと、あきれたような顔をしていた。


「……あのさぁ、君って馬鹿なの?」

「……すみませんでした。」

「まぁしょうがないけどさぁ。おかしいでしょ、小さな子供が世界がどうこうの話するなんて。」

「その通りです。」

「とにかく、これからはああいう変なやつの言うことほいほい聞かない事。分かった?」

「はい……」


そんな話をしていると、アストラルさんの後ろから声がした。


「まぁまぁそんなに怒ってやるな。何もなかったんだし、良いだろう?」

「に、兄さん? なんで外に……」

「散歩してたんだ。暇だからな。」

「一人で出歩いちゃ危ないよ! 今みたいなやつが来たらどうするの?」

「大丈夫だ。自分のことくらい自分で守るさ。それで、君はせっかく来たんだから何か話すことがあるんじゃないか?」

「はい、星座種の人工知能について……」

「いや、こんなところで立ち話なんてするもんじゃないな。中に入ろう。」


促され家の扉を開くと、中は真っ暗だった。

この家には窓もあって、外からの光が差し込んでいるはずなのに……


「あぁ、明かりがないな。」


部屋中の燭台やランプに火が灯ったかと思えば、そこは外観からは想像もつかないような内装の、前にも見たことのある部屋だった。


「どうした? 何かあったか?」


これが普通のことのように微笑んで訪ねられたが、予想だにしていなかった明かりの付け方だし、そもそも魔法が普通だともまだ思えていないので、返す言葉もなかった。

最後まで読んで頂いた方、誠にありがとうございます。

面白かったらブックマーク、感想よろしくお願いします。

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