夜
10話目です。
ダイジェストっぽくなりました
「つ、疲れた……」
口に出して言うとよりいっそう疲労感が襲う。
丁度ついさっきまで新人歓迎会と名の着いた宴会をしていた。宴会といっても、お酒の飲める年の人はいなかったのでジュースで酔うことになったが。
新人というのは私と、館の主の女の子……チッタちゃんのことだ。なんでも、昔いたところを追い出されてさ迷っていたが、良さそうな土地を見つけて魔法で館を建てたのが、あの館だったそう。その話を聞いてお兄ちゃんたちは
「じゃあうちの結社に入ればいいじゃん!」
と口を揃えて言った。その流れで当たり前のように私も結社の仲間に入れてもらうことになり、盛大すぎる歓迎会。具体的には、何人前だというほどのご馳走や、花火レベルの威力のクラッカー達、専門店並みの量のパーティーグッズなど他にも様々。それをすべて遊び尽くさんとばかりにティロちゃんは張り切っていたから、付き合っている内にみんなが熱くなり、気づけば日を跨いでいた。
賑やかで、みんながいい人だった。だけど私は、元の世界に帰らなければならない。でも、何の手がかりもない状態でどうすればいいのだろう。
……そういえば、あの女の子は、私が次に目を閉じるとき、と言っていた。私がこのまま眠れば、あの子に会えるのだろうか。
あの子なら、元の世界に変える方法を知っていそうな気がする。まだ何にも分かっていないこの状況だけど、この世界の事を少なからず知っている人と協力ができるならそれに越したことはないだろう。
「……寝てみるか。」
淡い期待を込めて瞼を閉じる。疲れていたのもあり、意識がすぐに暗闇へと落ちた――――
「!!」
がばっと起き上がり、辺りを確認する。
「あの場所だ……」
少女がいた場所。でも、その少女はいない。
「…………?」
「ねぇ。なに?あんた」
「えっ?!」
飛び上がり後ろを向くと、目立つ水色の短い髪の少年……?が、立っていた……
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