本当
「あ、はい。俺のです。ってこれって昨日見た夢と同じじゃ…」
「良かった!ずっと持ち主を探してたんですよ!」
少し話して俺は確信した。夢と同じシチュエーションになっていることを。
(だから今日スマホを落としたのか。)
とりあえず、俺は彼女が差し出しているスマホを受け取った。
(確かここで俺の名前を聞いてくるはず…」
「名前なんて言うんですか?」
やっぱり夢の内容と同じだ。
「坂見悠太です。」
(なんでだ⁉一年前の夢みたいに昨日の夢で今日のことを予知してたってことか⁉)
「優しそうでいい名前ですね!悠太君でいいかな?」
「あ、はい」
(これが夢と同じなら八重木朱音っていう名前ってことだよな)
「あなたの名前は…」
「八重木朱音です!」
(やっぱりそうだったか…ん?いや待てよ、夢通りだと俺たちは連絡先を交換する…てことは俺は今現実でこの八重木朱音と連絡先を交換できるってことじゃねえか⁉」
「ねえねえ、悠太君、連絡先交換しない?」
「あ、そうですよね⁉OKです!OKです!」
(最高に幸せだ~!)
そして夢と同じで俺たちはお互いスマホを交換して電話番号を登録し合い、
連絡先を交換した。
「じゃあ、私帰りますよね。」
「あ、はい!ありがとうございました!」
「悠ちゃん!学校の外まで見たけどスマホはなかったよ。」
八重木さんと別れてすぐ、綾人が息を切らしながら戻ってきた。
「悪いな綾人、もう見つかったよ。」
「え⁉どこにあったの⁉」
「えーと、八重木さんって人に…」
「八重木…?」
「ああ、お前さっき校門のとこですれ違っただろ。」
「え?あの超絶可愛い人が八重木さん⁉」
「そう、あの人が俺のスマホを持っていてさっきそれを受け取ったってこと。」
「えー!いいなー!悠ちゃん、あんな可愛い人と話したのかよ~!」
「ま、まあ話しただけだよ。」
(一様連絡先を交換したことは黙っておこう。)
「よし!じゃあ改めて連絡先を交換しよう!」
さっきと同じように電話番号を入力し合った。