確認
「テストの点数全部10点台だったんだよね……」
「え?」
「ま、まあ今回は勉強しなかっただけで次は……」
「す!す!すげー!!!」
「………は?」
「悠ちゃん10点も取れたの⁉凄すぎるよ!」
「お前、俺を馬鹿にしてるだろ。」
「馬鹿になんかしてないよ!俺なんか一桁だよ?ほら!」
そうして、綾人は答案用紙を俺に見せてくる。
「えーっと。5点、6点、2点……って!2点⁉」
テストの点数2点なんて俺の学校生活の中で一回も見たことない点数だ。
「ちょっと声に出さないでよ!恥ずかしいよ~!」
「なあ、お前、テスト週間に勉強したか?」
「したよ。」
「塾に行ったか?」
「行ったよ。」
「その塾でテスト対策とかしたか?」
「バッチリしたよ!」
「じゃあ何でこんな点数なんだよ!!!」
「えーと……ケアレスミス?」
「ケアレスミスっていう問題じゃないだろ……」
そんな事を言ってるが、ぶっちゃけ綾人よりも点数が高くて安心している。
「まあさ!とりあえず、順位表見に行こうよ!」
「そ、そうだな。」
(あいつ、あんな点数なのに、よく見に行きたがろうとするよな……絶対最下位だろ……)
「人が居すぎてよく見えないね~」
廊下に順位表を見に行くが、人が多すぎてまったく見れない。
「なあ、もういいんじゃないか?どうせ俺達、順位なんて悪いんだからさ。」
「いや!絶対に見る!付いてきて!悠ちゃん!」
そう言うと、綾人は中腰になりながら、人がたくさんいる中に入っていく。
「何してんだよ。あいつ……」
気が付くと、綾人の姿はもう見えない。
「……行くか……」
仕方なく、俺も中腰になり、中に入っていく。
「おい。綾人。」
人混みの中に入り、半分くらい行った時、綾人を見つける。
「悠ちゃん、ここくらいからなら見えそうだね。」
綾人は中腰の姿勢を止めて立ち上がる。
「うん!ここくらいからなら見えそうだよ!」
「よし分かった。」
俺も綾人と同じように立ち上がる。
「うわー!ここから自分の名前を探すのか!」
順位表には1位から最下位まで順位と全員の名前が横一列に張り出されている。




