無愛想
「よし!決まり!じゃあ、そろそろ昼休憩も終わるし、席つくね~!」
こうして、俺達は自分の席に着いた。
◇◆◇◆◇◆
その日の晩、俺は合崎に言われた通り、メールを送ることにした。
「なんて打ちゃいいんだよ…よろしくとか?」
少し考えたが、何も思い浮かばなかったので、よろしくと打ち、メールを送信した。
(夜にメールを送ってこいとか言ってたけど、何か理由でもあるのか?)
そう考えてると、スマホから通知音が鳴る。
「あ、もう来た。どれどれ…」
スマホを開き、合崎の返信を見ると、〈よろしく〉と返されただけだった。少し待ってみるが、追加でメッセージが来る気配はない。
「は?どういうこと?」
俺は素早くもいを打ち、また合崎にメールを送る。
〈おい、夜にメールしてこいって言っただろ?なんか用事でもあるのか?〉
そう送るとすぐに返信が来る。
〈いや、ない。〉
合崎のメールは短文で、〈!〉などもつけないから、現実よりももっと無愛想に感じる。
「ないのかよ!じゃあ、なんで…」
そう愚痴を言っていると、通知音が鳴る。
「合崎か?」
通知を確認すると、思った通り、合崎からのメールだった。俺は合崎のメールを読む。
〈でも友達なんでしょ?だから、これから仲よくしよ。よろしく、悠太。〉
「な、なんだよ!この文章!しかも悠太って!」
少し長めな文で、やっぱり無愛想だが、なんとなく、この言葉を言って、顔が赤くなっている合崎が、頭に浮かんだ。
「やっぱ、いい奴だな。」
そう感じた、今日の夜だった。
◇◆◇◆◇◆
5月下旬、学校生活にも大分慣れてきて、そこそこの生活を送っている。八重木さんとは廊下ですれ違ったら挨拶するくらいで、合崎とはメールでちょこちょこ話すくらいだ。夢はあれから何回か見たが、しょうもない予知だったり、特に何も起きなかった。
だけどそんなことよりもっと大事なことがある。
「悠ちゃん、今日から勉強尽くしだね~!」
そう、今日からテスト週間なのだ。
「嫌だ、勉強したくない。」




