6組の女
そんな話をしているうちに、俺たちは学校に着いた。
「…眠たい。」
昼飯を食べた後の授業を受けているが、めちゃくちゃ眠たい。
「少し寝るか…」
俺は先生にバレないように、少しだけ眠ることにした。
「ん…夢が始まったか。」
今回も意識ははっきりとある。
「今からきっと何かが起こるはずだけど…あ、居た。」
よく見てみると少し離れたところに一人の女が居る。場所は一年生の廊下だ。
「行ってみるか。」
ここで見てても意味がないと思った俺は、女の方へ行くことにした。
女の元へ行くとプリントが廊下中に散らばっていて、それを拾っていた。
(助けてやるか)
「大丈夫ですか?手伝いますよ。」
「大丈夫。自分で拾うから。」
俺がプリントを拾おうとした時、女が無愛想に言ってきた。
「いや、でもこんなに散らばってるし一人じゃ時間が掛かっちゃうよ……」
「おい!坂見!何寝てんだ!」
「え?あ!はい!すみません!」
その時、ちょうど授業の終わりのチャイムが鳴った。
「ったく。次から気をつけろよ。」
「はい…」
「悠ちゃん、怒られてたね~!」
授業が終わってからすぐ、綾人がからかい口調で俺に言ってきた。
「本当最悪だったよ…」
「おーい、相木居るか?」
「おい、綾人、先生が呼んでるぞ。」
「ん?本当だ!ちょっと行ってくるよ!」
(さっき見た夢も本当になるってことか。)
「まあいいか、暇だしトイレでも行こう。」
そう思って、俺は教室を出た。
「あれ?あそこにいるのってさっきの夢の女じゃね?」
少し離れた所にその女が居る。
「さっき夢見たばっかだぞ、こんなに早いわけ…」
「おい、坂見、お前寝てた罰だ。6組の合崎からプリントもらってこい。」
「あ、はい。いいですけど…ってあれ?」
「どうした?何かあったのか?」
「い、いやなんでもないです!行ってきます!」
俺は廊下をじーと見た。
「やっぱりさっきの夢の女からプリントもらえってことだよな…女の目の前6組だし…」
「まあ、夢の話も気になるし、行ってみるか。」
女の元へ行くと案の定、廊下に散らばっているプリントを拾っていた。
「大丈夫ですか?手伝いますよ。」




