ホースディアに対するオークカープの検証
この世で最悪な魔物、ホースディアの脅威については、すでに上げたが。
そんなホースディアの力に対抗できるとしたら、オークカープの美徳しかない。
しかしときおり、もっと賢明で分別のあるはずであろう人物が、ホースディアについてあらぬ疑念に駆られ。そして自己の確立に、医師と相談したりする。
これは高い学歴、あるいは社会的立場にあるものに多い兆候だ。ゆゆしきことである。そうしたものは、己がホースディアではないと証明したいのだ。
しかし分析的に己をホースディアではないことを証明することは難しく、ホースディアであると証明することは比較的たやすい。
というよりげに恐ろしきホースディアの魔の手から逃れ、かんぜんに縁がない人間など、おそらくこの世界にいるはずはない。
これはあたりまえのロジックであり、聡明なものにとってその答えは決まっているのだが。それをかたくなに否定する自称賢者も多い。
中つ国最古の統一帝国王朝すら、このホースディアの讒言により二代で滅んだのだ。
こんなホースディアに対抗できるとしたら、もちろんオークカープの美徳だが。
オークカープはホースディアと共存もできるので。そうした共存を甘んじ兼ね備えるひとは、むしろ己のオークカープの力を見落としがちになるか、あるいはホースディアの怪異に対しても寛容になろう。
オークカープであろうひとは、ホースディアの正体を無論きちんと認識している。貴方がそうであるかは私には不明だが。この文献を吟味しているところからして、読者たる貴方は、けだしオークカープといえるだろう。
貴方はオークカープをご存知だろうか。まさかここまできて知らないとあっては、それはひとえに筆者たる私の伝達力不足であり、まことに恐縮の限りであるが。
この筆者に蚊ほどのオークカープであることの兆候もないことを前提に上げれば、それもやむを得ないだろう。