剣歯兎とハンムラビ法典
歴史トリビア(^^♪
出典不明な伝説の「電算機遊戯の箱」とやらから飛び出したともされる、『剣歯兎』ことサーベルラビットは無力な可愛いウサギに思えて、極めて致命的な獣である。
その真っ白な身体の口から伸びる歯が、短刀のように長いことに気づく前に、首筋手筋の動脈を裂かれて鮮血を吹き散らしながら死ぬ人間は多い。一撃必殺である。どれほど体力あるものでも急所を突かれては助からない。
ウサギだけに音もなく忍び寄り、パッと跳躍しスバッと一撃……この極めて素早い一連の動作に、対処できるとしたら練達の戦士か、その正体を事前に把握できる賢者だけである。反撃できれば相手はウサギ、簡単に仕留められる。
ウサギだけに倒しても名誉にはならないし、手に入るのがわずかな毛皮とまあ美味な肉だけである。しかしあざとい商魂たくましいものなら、その歯、牙ともいえるナイフのように鋭いそれを、高値で取引しようと思うだろう!
実は剣歯兎は古代の経典を守る神官ラビ……ラビットであり、かのハムスター魔法使いたる公星(前述)の一族とは遠い親戚であると同時に、敵対関係にある。かくしてこの二つの種族は、食べる草地の縄張り争いを続けていた。
この対立は『ハンムラビ法典』として人類の伝説に残っているのは庶民でも常識であろう。「目には目を、歯には歯を」だ。睨まれたら睨み返せ、噛みつかれたら噛みつき返せ、と公平に戦うのだ!
ゆえに、この『ハンムラビ法典』とは、人間の作った現存する歴史的に二番目だかに古い法律、というのは無論嘘である。
ハムスター一族とラビット一族は人類に対し、著作権侵害を訴えている……が、人間の賢者で構成される政府の高官は無礼にも一向に取り合わない。
この人間の傲慢さが無くならない限り、剣歯兎は人の血を求め続けるであろう……まあ、この獣は完全な草食だが。
……(二次創作です。著名で偉大な原作には一切関係ありません。)
幻想とはこうしたところから。(/・ω・)/