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隔世遺伝  作者: 播磨王65
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6話:大学受験と自分の先祖の秘密

 最終的に吉崎君は橫浜国立大学工学部を選択して受験することを決め、池墨は、橫浜市大商学部を受験した。受験部は両親が一緒についてきてくれ、ちょっと、安心した。テストは順調に答えられ、答えられなかったところは捨てて、ミスがないかどうかに集中してチェックを入れた。そして、終了となり2度、確実に答案を再点検できた。3月初旬の合格発表で、2人とも合格した。そして、池墨は、商学部の入り株投資の本質を勉強したいと思い、もと、証券会社ディーラを経験した鮫島教授の門をたたいた。


 大学1年の授業が終わると鮫島教授の研究室をのぞいて事務仕事の手伝いや電卓での計算の手伝いをしていた。すると、面白い、本を貸してやろうと、相場師列伝という本を貸してくれた。これには、日本の凄腕投資家の波乱万丈の人生をかけた投資の戦いが書いてあると言った。その本を借りると、一心不乱に読んだ。その後、日曜日に東京神田の古本屋を回って、夏休みになって、やっと相場師列伝の本を探しあてた。表紙の色は、あせて、程度は良くなかった。


 500円と書いてあったが、店主に貧乏学生に、安くゆずってと言うと、誰にも言うなよと言い、250円で売ってくれた。そして、鮫島教授に借りた本を返しに行った。夏休みに、1週間かけて、その本をもう一度、熟読した。その中の最後の方に出てくる、横浜開港、生糸売買で巨利、大居屋九兵衛氏、「見本取引」が「先物取引」に発展の項目に、注目した。父の池墨真之介に聞くと、馬鹿らしい、そんなすごい先祖なんているわけないだとを言い切った。母も、夢のようなお話ねと笑った。


 しかし、池墨伸介は納得いかず、東京に住む、祖父に聞いても、知らない。また、情報を持ってないと言い、親戚で一番長老は100歳になったばかりの佐渡悦子さんだと言い、その家の電話番号を教えてもらった。8月18日、早朝電話すると、彼女は、既に、老人性痴呆が進んで、老人施設に入所していると教えられた。どうしても、一度会って、お話しさせて欲しいというと、それは構わないけど、何も解らない可能性が強いわよと、娘さんが言った。それでも良いなら、来ても良いわよ言い、1人で、お邪魔することにした。


9時、その人のお宅に行くと、タクシーで、10分のビルについて、エレベーターで上がり、佐渡悦子への面会の手続きを取った。すると、車椅子にのった、彼女がやってきた。そして、奥の場所に移動して、耳が遠いから、大きな声で、ゆっくりと話して下さい担当のヘルパーさんに言われた。娘さんに自己紹介しましょうかと聞くと、いや、聞きたいことを単刀直入に、わかりやすく聞いて下さいと言われた。そこで大居屋九兵衛「おおいや・きゅうべえ」さんは、親戚ですかと聞くと、ちょっと顔色が変わったのがわかった。


 聞いた直後、誰に聞いたのと、返事が返った。やっぱりそうなんですかと、言うと、これは、秘密なんじゃと言った。そこを何とか、私だけに教えて下さいと、深々と頭を下げた。すると、軽く、事実を認めるように、軽く首をたてにふった。実は、大居屋九兵衛は、書物にも、なっている偉人で、橫浜開港と共に群馬の山奥から横浜に出て来て、外国商人と生糸の売買で大成功して、大きなお屋敷を建てて、その頃、橫浜生糸商人の仲でも大居屋九兵衛、原善三郎、吉田幸兵衛などと並び称せられる豪商だった。

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