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隔世遺伝  作者: 播磨王65
18/18

18話:(最終章)大居屋九兵衛の墓参り

 帰り際、良かったら、自宅へ寄っていきませんかと、以前から世話になった吉崎君とお父さんを誘い、用事はないと言うので、伸介のアルファードで、小机の近くの家に帰ってきた。そして、夕方になったので、近くのすし屋から、寿司をとった。すると、吉崎君のお父さんが、すごく広い、敷地に大きな木造の家が2軒もあって、たいしたものだと言った。


 そこで、これも、吉崎さんのおかげで、株投資で成功したおかげですよと、お礼を言うと、君は、本当に、先祖の横浜の生糸商人、あの大居屋九兵衛の末裔で、隔世遺伝だと、しみじみ言った。それというのは、大きな株の勝負の時に、一度もたじろがずに、実行するという事は、我々、プロの証券マンも実際には、みんなができるものではない。ビビッて、しくじったり、買い損じたり、売り損じたりする、それが、なかった。


 それは、特殊な能力があった証拠だと思うと言った。本当に肝の据わった太い投資家になったものだと、伸介の肩をたたいた。一度、お礼の意味で、大居屋九兵衛の墓詣りに行こうと言われ了解した。すると、息子さんも俺も行きたいと言い、伸介の奥さんも行きたいと言ったので、4人で、11月7日に行くことにした。調べてみると、場所は、大居屋九兵衛の故郷、群馬県吾妻郡嬬恋村三原に墓と記念碑があることがわかった。


 11月7日、朝6時に、吉崎君の家で2人をのせ、伸介と奥さんと、吉崎君と彼のお父さんの4人で横浜から16号線を北上して、鶴ヶ島インターチェンジから上信越道に入り、藤岡で軽井沢方面に左折して信越道に入り、軽井沢インターチェンジで出て、軽井沢駅を抜けて羽根尾を左折して吾妻線に沿って、最初に、万座・鹿沢口駅の近くの大居屋九兵衛の石碑が立っていたので、そこをお参りした。すると、近くに大居屋という同じ名前の料理屋があったので、ちょうど、昼飯時なので入った。


 それ程、混んでいなかったので、大居屋九兵衛の話を聞くと、なんと、ここが大居屋九兵衛の子孫の店と分かり、横浜から来た話と、横浜で商売していた時の親戚だという事も話と、喜んで、遠路はるばる、本当にありがとうございますと、最長老の90歳を超えた、おばあさんが挨拶してくれた。そして、ここを出て、大居屋九兵衛のお墓詣りをしてくると言うと、ご苦労様ですと言ってくれた。


 お墓に向かうと車で15分、普通の細い1車線の山道を上って、周りは、少しの民家となだらかなところには畑があり、畑に沿って、細い歩道を上っていくと10分で、その畑の上の墓地があり、お墓と、その前に、群馬県指定史跡、大居屋九兵衛の墓と、はっきりと石碑が立っていた。やはり、彼は、ここ群馬県の郷土の誇りのだったことを思い知らされた。


 お墓の前で、全員で手を合わせて、池墨家の発展のために勇気を与えてくれ、ありがとうと伸介が祈り、深々と頭を下げた。すると、山の上の太陽が、伸介たちに一筋の光を放ち、まぶしさを感じた。それは、まるで、よくやったぞと、ほめてくれるような気がして、伸介は、うれしくなり、やがて、うれし涙として、それが、頬をつたって、流れ落ちた。(終了)

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