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――Buongiorno.
少し遅い時間になってしまいました。申し訳ございません。
それでも読んでいただければ幸いです。
小虎は背を向ける政宗にほっとしながら、その手にシャンプーを取った。
政宗は髪が長いから、身体が見えないことが唯一の救いだな。
そう思った小虎だが、髪が短ければそもそも一緒に入らなくてすんだんじゃねと言うことに気付いた。しかし、結局要領が分からんと言われたかと思い、髪が長かったことに感謝した。
じゃーっと勢いを調節して、政宗の頭にお湯をかける。
そして、おもむろにシャンプーを手に取り出すのだったが、
「な、なんだ。それは……ッ⁉」
政宗にそう言われ、作業を一時中断する。
「ん? ああ、これはシャンプーだよ」
「シャンプー?」
「ああそうか……。石鹸と言えば分かるか?」
「せせせ、石鹸⁉」
ん? なんだ。
小虎がそう言うと、政宗は予想以上の驚きを見せた。
「そそそ、そんな高級品。……もしかして、小十郎は大名とかなのか」
「ん? ああ、そういうことか。別に大名でも貴族でもないよ。そもそも、いまの日本には大名みたいなものはいなくて、みんな平等なんだよ」
「なんと! いまの日の本はそんな感じなのか。いや、ではなおさらそのような高級品を使――」
「ああ、別にこれそんな高いものじゃないし、どこの家庭も毎日使ってると思うぞ」
「そ、そうなのか……」
政宗はあり得ないものを見たような顔になり、失意に暮れるかのような顔をしている。
俺からしてみれば、あり得ないのはお前なんだけどな。
小虎はそんなことを思いながら、政宗の髪を洗っていく。
「なんか、白くもこもこってしているぞ」
「泡だよ、あ・わ。汚れを取ってくれるんだ」
「そ、そうなのか。……日の本も変わったのだな」
小虎も長い髪を洗うのは初めてだったので、傷つけないように注意しながら洗っていった。
「髪は洗うけど、身体は自分で洗えよ」
「ぬ、洗ってはくれぬのか」
「あああ、当たり前だ」
政宗が何食わぬ顔で恐ろしいことを言ってくる。
どうにかしなければ。
「小十郎が洗ってくれると、身体がぽわぽわして気持ちよかったのだ。だから、われの体の隅々まですべて洗ってくれ、小十郎」
政宗は小虎のほうに振り向いて、魅惑的な提案をしてくる。
き、気持ちよかったって……。それも次は、身体の隅々だと……ッ。
小虎の視線が、向き直った政宗を撫でまわすように見つめる。
水の滴る髪。
さっきからチラチラ見え隠れするうなじ。
髪から滴る雫を受け止める細い鎖骨。
撫でるように丸みを帯びた肩。
その下には発展途上の瀟洒な双丘。
さらに視線を下ろすと、こちらを誘っているかのようなへそ。
まだ未熟だが、それでも女らしさを強調する臀部。
そして、生命の神秘である――。
「うわぁあああああ、嫌だ……ッ!」
いろいろなものを想像してしまい、小虎は政宗から距離を取り、必死に忘れるように否定する。
こいつは男、こいつは男、こいつは男。煩悩滅却。
「なぜ逃げるのだ。小十郎」
しかし、小虎の取った距離を詰めてくる。
はうわぁ、俺の雄心が……ッ。
政宗を本能で女と意識した小虎の雄心は、理性で押さえようとも、半分は覚醒してしまった。
「に、逃げ場が……ッ」
政宗が詰めてきた距離を、また伸ばすように後ろに下がっていた小虎だったが、ここは普通の浴室の中、すぐに逃げ場がなくなってしまう。
「ふふふ、捕まえたぞ」
ぴとっと、政宗がくっついてくる。そのせいでいろいろと躰が反応してしまった。
「は、離れろ、政宗。その……いろいろとやばい」
「んふふ、嫌だ。家臣なら主の命令を聞くのだ」
そう言って、いろいろと小虎の身体をまさぐってくる政宗。
や、やめ。そこは……ッ。
いろいろなところを撫でられ、小虎の意識は朦朧としてきた。
「小十郎、かたくなっておるぞ。緊張しておるのか。大きくて、熱くて、かたい。毎日鍛えとる証拠だな」
政宗が小虎を撫でる。
なんかぽわぽわしてきた。なんか幸せな、なんとも言えない感じになってきたから、もうこのままでいいかな。
小虎はもうあきらめていた。小虎の理性のライフはもうゼロだった。
政宗と小虎は二人して盛り上がっていた。だからこそ気付けなかった。
終焉を告げる化身の足音に。
――がらん。
終焉の扉――浴室のドアが開く。
「もう、竜姫おねえちゃんが帰ってきたのに、なんでお出迎えがないの。それもお風呂入ってるしぃ。もういいよ。お姉ちゃんも一緒に入っちゃうか……ら…………」
救世と破壊の化身、降臨。
「「あっ」」
小虎は自分の熱どんどんが覚めて、理性が戻ってくるのを感じた。
泡まみれの小虎と政宗。
小虎が仰向けに寝転がり、政宗がその上に枝垂れかかるように乗っかっている。
政宗の手はそのシュッと鍛え上げられた小虎の胸板に。
極めつけは政宗の半分覚醒している雄心。
それが導き出す答えは――。
「ててて天国の叔母さーん! こここ小虎くんが! おお女の子を! それも、よよよ幼女を! つつ連れ込んで! そそそソーププレイしてるぅぅぅぅぅうううううううう‼」
ギルティ。
片倉小虎、十六歳。人生終了のお知らせである。
「ちょ、ちょっと待って、竜姫ねえさん。これには事情が――」
「アヴェアァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア―――――――――――――!」
――パタッ!
現れた化身は精神的にもろかった。
「た、竜姫ねえさん……ッ」
竜姫は泡を吹くかのように倒れていた。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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次回は明日の昼過ぎに上げようと思っています。
――Ciao.




