09
――Buongiorno.
こんな底辺小説でも100PV行くことができました。ありがとうございます。
次は200PVを目指して頑張っていきたいです。
「そうだ! 小十郎。湯浴みはどうした⁉」
そのまま逃げる兼続を見送ったあと、小虎たちは家に帰ってきた。
ちなみに兼続は逃げる最中に三回は転んでいた。
「えぇ、時間が……」
「……(うるうる)」
政宗がすごい断りずらい瞳で小虎を見てくる。
ああ、もう!
「分かった。入ろう」
「やったー、のだ」
政宗は飛び跳ねるくらいに喜んでいる。
小虎はそんな反応をする政宗にびっくりしていた。
まさかそんなに喜ばれるとはな。
「早く行くぞ、小十郎」
「おい、待てよ」
スタタタタタっと、政宗は部屋を飛び出していく。
小虎はそれを追いかけるように、後に続く。
さっきのことといい、俺は政宗の願いは断れないかもしれない。やばいな。
小虎は兼続とやりあったことを思い出しながら、そんなことを考えていた。
そういえば……。
ここでお風呂に入るうえで重要なことに気付いた。
「政宗、お前服は⁉」
「われに服など不要!」
小虎は心配したことを訊いたが、返ってきたのは全く予想してない答えだった。
「ちょ、それどういうことだよ」
政宗が走っていったほうに小虎も走る。たどり着いたのは当然のごとく浴室だった。
「おい、まさむ――」
小虎は声をかけようとするが途中で止まってしまう。
「ん? なんだ」
政宗がこっちに顔を向けて話しかけてくるが、問題はそこではなかった。
問題は、
――政宗が生まれたままの姿だったのだ。
「おい、おま、服は……ッ⁉」
「湯浴みをするのに服は不要であろう」
「そういうことじゃない!」
どういえばいいんだ。
小虎はあまりの事にパニックに陥っていた。
小虎は政宗から目を背けるようにあたりを見回す。しかし、そこに本来あるはずのものがなかった。
「お前、服どこやったんだよ!」
「ん? 服か」
政宗は首をかしげるようにして、小虎の話を聞いている。
しかし、その顔は小虎の言いたいことが分かっていないような表情だった。
「いったい何が言いたいのだ、小十郎は」
「ああ、もう……ッ! 脱いだ服はどこだとか、そもそも脱げるほどの時間はなかっただろうとか、そう言うことだよ‼」
小虎は、ぜぇ……、ぜぇ……と息を荒げながら政宗に叫ぶ。
「む、なんだ。そんなことか」
そんなことって。
小虎は政宗がそのことについて何も思ってないことに落胆する。
しかし。
政宗が本当に落胆するのはこれを見た後だった。
「服なぞ簡単に出せるぞ」
――ぱちんっ!
政宗が指を鳴らすとその身体が光に包まれる。そして政宗の肩付近から、まるで雨や流星群のように光の粒子が雫になって落ち始める。
そして、徐々にその粒子が形を帯びてくる。
それは政宗がいつも羽織っている十字架の衣装が縫われた、白い軍服だった。
「おー」
小虎もその摩訶不思議な光景に驚嘆の声を上げる。
だが。
「なんでそれだけなんだ!」
光の粒が次々と消えていく。
彼らが創り出したのは、一着の軍服のみ。
政宗の身体に残るのは、その軍服だけ。
政宗が創り出した服は、それのみだった。
発達途上のような危なげな躰が健気にしなり、各所に咲く花たちが凛と揺れる。
そのアンバランスな格好は、すべてが不釣り合いなせいか、すべてで完成する一種の芸術だった。
危ない魅惑の香りをあたりに一面に振りまく。
「おま……ッ」
シャツは⁉ ズボンは⁉ トレードマークのベレー帽は⁉
小虎はすべての服が現れると思っていた手前、光の粒子が軍服を作り出すと同時に消えるとあわてて目をそらした。
政宗の身体はただ軍服を羽織っているだけと言う、ほとんど裸と変わらない姿だったのだ。
「ん? どうした。何故われから目を背ける」
「お前が服を着てないからだ!」
相手の心情など全く理解していない政宗に、小虎は疲労を募らしていく。
「ならばあえて答えよう。今から湯浴みをするのに、なぜ服を着る必要があるのか。いや、ない」
「反語……ッ」
た、たしかに……いや、しかし。
小虎は丸め込まれそうになるのを必死に耐える。
「はぁ……、もういいよ。とりあえず服の心配はなさそうだな」
だが、結局諦めることにした。
こちらの常識が通じない政宗に、小虎は辟易していた。だからもうこのままでいいと思ったのだ
しかし。
「じゃあ、お風呂から上がったら教えてくれ。それまでリビングにいるから……」
「ん。なに言っておるのだ?」
「いや、だから――」
「小十郎が一緒に入らずに、誰がわれの身体を洗うというのだ」
政宗の常識のなさは小虎の予想の範疇を超えていた。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
よろしければ、感想や評価をよろしくお願いします。
次回は明日の昼にでも。
――Ciao.




