みずたまの冒険
あの日 確かに歩こうとした
幼いワタシヘ。
みずたまは 空からおちた
雨の一族だった。
たくさんの仲間たちは
次々と雲からはなれて 地上にむかっていく
『どんなところなんだろう?』
みずたまは わくわくとつぶやきながら
えいっと 雲から飛び出して
ふわりと 地上を目指しておりていった。
地面におりて 土の中に入りこんでも
みずたまは みずたまのままだった。
『わたしは ちいさなひとしずくだったはずなのに
わたしのままで大きなものに包まれたみたい』
それは とっても とっても不思議な感覚だった。
いままでのみずたまのまま
ほかの雨の仲間たちの氣持ちも
一緒に感じているような共有されたココロ。
何かがおこる。
わくわくする仲間もいれば
いらいらする仲間もいる。
楽しいことも 楽しくないことも
嬉しいことも 嬉しくないことも
仲間たちの 色々なココロが
みずたまのなかにあって
きっとみずたまのココロも
仲間たちの中でキラリとしているようで。
そんな不思議な氣持ちのまま
大地にしみこんで
せせらぎにつながって
小さな流水から
大きな川に運ばれて
大きな海へたどり着いた。
つながりが ひろがるにつれて
たくさんの仲間たちのココロが共有されて
自分と ほかの仲間たちとの境目が
だんだんなくなっていくような事が続いていたある日。
みずたまは 久しぶりに
自分だけのココロしか感じないことに氣がついた。
『なんだか 長い夢でも見ていたんだろうか?』
みずたまは 不思議におもっていると
いつの間にか 馴染み深い雲の中にいた。
めぐりめぐって どうやら雨の村に帰ってきていたようだ。
『不思議だけど たのしかったなぁ』
そしてまた 新しい大地目指して
みずたまの 旅は続いていく。
いつまでも いつまでも。
物語を紡ぎたいとおもって早幾年。
初めて 公の場に投稿させていただきます。
つたないですが 宜しくお願いします。