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僕とキミの多目的室  作者: 永井 勇樹
8/17

テスト勉強

今日は土曜日。

和人は部屋で1人勉強をしていた。

母も父も会社の疲れがあって、今日の朝はしっかり休むみたいだ。

現在、午前6時。

来週の火曜には学校でテストがある。

友香に勝つと言ってしまった以上、なんとしても勝ちたい。

苦手なところも友香に教えてもらったおかげで、基本はしっかりできる。

応用で少しつまずく部分もある。

だが、ともかに教えてもらったことを忘れずに、しっかりと考えれば大体は分かる。


「今頃、何しているだろう?」

和人はふと、友香のことを思ってしまった。


「いや、今は勉強だ。」

今はほかのことを考えている余裕はない。

しっかりと地道に少しずつ勉強するしかない。

気を取り直して世界史の暗記を始める。

和人は今までも勉強を頑張ってきたが、こんなに頑張ったことは初めてかもしれない。

きっとそれは友香のおかげだ。

和人はそう思いながらも必死に世界史の暗記をしている。


「ご飯だよー」

1階から母が呼んできた。

時刻を見ると、午前7時20分。

いつの間にかこんなにも一人で勉強をしていた。

1階におりると母の架純(かすみ)がご飯を作り終えていた。

父の一志(かずし)はまだ寝ていた。

夜遅くまで仕事しているのだから仕方がない。


「今日は和人はどうするの?」

架純が聞いてきた。


「今日と明日は1日勉強かな。」


「和人は勉強を欠かさずいつもしていて成績も良いのに更に勉強か~。偉いね。」

架純が褒めてくる。


「別に。でも今回は本気なんだ。」

架純が作ったご飯を食べながら、答える。


「なんかやる気?」

架純が聞いてくる。


「今回のテストでは勝ちたい人がいるんだ。」

友香のことだ。


「そうなんだ。頑張ってね。」


「うん、頑張る。」

架純の朝食を食べ終えた後に僕は脱衣所に行って顔を洗った。

私服に着替えて、2階の自分の部屋に戻りまた勉強を始める。

友香編



今日は土曜日。

私は1人、部屋で勉強していた。

昨日は和人君と勉強会的な感じになった後に、母の作った夕食を一緒に食べた。

その後、母が車で和人君を彼の家まで送って行った。

戻ってきた母に「変なこと言ってないよね?」と聞いても「別に何もしてないよ。」と言ってくるだけ。

まあ、和人くんとの約束もあるし、勉強をしよう。


「別に私的には言ってもいいんだけどね。」

和人君は今、何をしてるんだろうかな。


「友香、ご飯よ。」

イヤホンをしながら勉強をしていると、母である涼香がドアを開けて呼んでくる。

イヤホンをしていたせいで涼香が入ってきたことに気づかず私は思っていたことを口に出していた。


「和人君、何してるのかな?」

そう言いつつ、自分の顔が赤くなった気がした。

その時、後ろに誰かが立っている気配がし、後ろを向くが誰もいない。

それでも嫌な気がして、すぐドアを開けると、1階に降りていく母がいた。

聞かれた。

自分の顔が更に赤くなった気がした。

イヤホンを外し1階に降りる。

台所にいた母が話しかけてきた。


「あら、友香、おはよう。ご飯よ。今、呼びに行こうと思っていたんだけどね。」


「ねえ、お母さん。私さ、聞きたいことがあるんだよねー。」


「何?」

母は目を逸らしていて、私の聞きたいことを知っているようだった。


「目を逸らしても無駄だからね。絶対に、さっきの独り言聞いてたよね?」


「何のこと?」

知らない顔をする母に更に言った。


「だからさっきの独り言!ドアの方に気配を感じて部屋を出たら、1階に降りていくの見えたんだからね!」

自分の顔がどれだけ赤くなっているかがすごく気になったが、今はそれどころじゃない。

すると急に母が笑い出した。


「だって、友香、お母さんに気づかずに、和人君、何してるのかな?とか、言ってるんだもん。母として聞かなかったことにしてあげた方がいいじゃん。」


「ちゃんと入る時にノックしてくれればそんなこと言わなかったもん。」

少しムキになって言い返した。


「はいはい、ごめんね。次からはノックするから。」


「絶対に和人君に言わないでね!」

少し怒り気味に言う。

そこでソファーに寝ていた父の達規(たつき)が起きた。


「なんだ、朝から。ってか、友香どうした?すごく顔が赤いぞ。熱でもあるのか?」

心配気味に父が言ってくる。


「何でもない!」

少し冷静になろうと脱衣所に顔の確認に言った。


「母さん、友香どうしたんだ?」


「何でもありませんよー。」


「ならいいんだが…。」

脱衣所に自分の顔を確認しに行くと、すごく真っ赤になっていた。

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