彼女の家
「本当に来てよかったのかな?」
「大丈夫だよ。お母さんも大歓迎って言ってるから。」
和人はすごく緊張していた。同年代の子の家に行くのも久しぶりなのに、まして、女の子の家なんて初めてだ。
「ふふっ 面白い。」
そんな和人を見て、友香は笑った。
「別に家にいるのはお母さんだけだし、大歓迎って言ってるんだから大丈夫だよ。」
そう言って友香は玄関のドアを開けた。
「ただいま~。」
「おかえり~。」
友香が玄関を開けると、母親らしき人物が部屋から出てくるのが見えた。
和人がその様子を玄関の外から見ていると、友香の母親らしき人物がこちらに駆け寄ってきて言った。
「いらっしゃい。えっと、佐竹和人君だよね?友香の母親の西川涼香です。どうぞ中に入って。」
「はい。失礼します。」
頭を下げ、家に入ると涼香は言ってきた。
「そんな畏まらないでいいから。和人君のことはね、毎日友香から聞いてるよ。この子、最近はずっと和人君のことばかり話すんだもん。だから今日、こうして顔が見れて嬉しいわ。」
涼香がそう言うと、慌てた様子で友香が否定してきた。
「お母さん、そういうことは言わなくていいの。って言うか、毎日じゃないから。」
友香の顔が一気に赤くなる。
「これから、勉強をするだけだから、邪魔はしないでね。」
「は〜い。」
「和人君、中に入って。私の部屋は2階だから。案内するから付いて来て。」
「うん。」
和人は友香に案内され友香の部屋に行く。
階段を上がり、突き当たりを左に曲がったところで友香の部屋に着く。
「ゴミとかは散らかってないと思うから。」
友香はそう言うと部屋の扉を開けた。
和人は驚いた。
学校では大人しく成績優秀で通ってる友香が実はぬいぐるみ好き女の子だったなんて。
「意外でしょ?学校では大人しくて誰からの告白も断ってるから、勉強以外に興味が無いんじゃいって言われてるけど、実はぬいぐるみ好きなんておかしいでしょ?」
「別にそんなことないと思うよ。女の子らしく可愛い部屋でいいと思うよ。」
「ありがとう。」
そんな風に言う友香は少し嬉しそうな顔をしていた。
こうして僕たちのテスト勉強は始まった。