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僕とキミの多目的室  作者: 永井 勇樹
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突然のお誘い

今日は金曜日。

学校の授業が終わり、いつも通りに多目的室に行こうと階段を降り、向かってる途中、多目的室前に立っている友香の姿を見つけ話しかけた。


「こんにちは。どうしたの?」

友香は困った表情のまま答えた。


「こんにちは。なんか、多目的室は今日、利用が出来ないみたいで、図書館を利用してって。」


「そうなんだ。どうする?今日はテストの予定だったけど、来週にするか、図書館でする?」

すると友香はこう答えた。


「私、図書館にはあまり行きたくないので……。」

和人も答えた。


「俺も図書館で勉強するのはちょっと……。」

友香と出会うまでずっと勉強していた図書館が今ではあまり行きたくないと思った。

それはきっと、友香と出会ったことが関係しているのだろう。


「じゃあ、テストは来週にしようか。」

そう言って、帰ろうとした和人の手を友香が握ってきた。

和人は一瞬混乱したが、落ち着いているように振る舞いながら聞いた。


「どうしたの?」


「………。」

こんな至近距離でも聞き取れない声で友香が何かを言ってきた。


「何?」

和人は聞き取れなかったので、聞き返すと、友香は少し頬の赤くなった顔を上げて言った。


「今日のテスト、私の家でしませんか?」


「いや、悪いよ。」

和人は咄嗟にそんな言葉を返した。

すると友香は頬が赤いまま、聞いてきた。


「やっぱり、私の家で勉強するのは嫌ですか?」


「いや、そういうことじゃないけど、ほら、両親にも悪いじゃん。急に知らない男の子が来てもさ?」


「たしかに、会うのは初めてだけど、全く知らない人ってわけでもないから大丈夫だと思うよ。」


「なんで?」

和人は友香の両親を知らない。

それに和人の知る限り、話したことも無いはずだ。

なのに何故、友香はそんなことを言うんだと思い、聞くと、友香は更に頬を赤くしながら言った。


「私が和人君のことをお母さんに話したことがあるから。」

この答えには和人も自分の体温が上昇したように感じた。


「じゃあ、お邪魔します。」


「うん。」

和人は多分これ以上は本当に拒否をしないと無駄だと思い、友香の家に行くことに決めた。

友香の家は学校から近くにあり、歩いて5分程度で着いた。

友香の家に着くまでの間、2人は一言も喋ることなく、和人には時間が過ぎるのが長く感じた。

友香は帰るまでの間、携帯をいじっていたため、きっと両親にでも連絡を入れていたのだろう。

和人も母親に一応、帰りが遅くなると連絡を入れたが、どの程度遅くなるかが分からないため、いつも帰る時間よりも遅くなるかもしれないけど、気にしないでと、送った。

和人の両親は共働きで2人とも帰りが遅く、10時頃を過ぎることがあるため、自分でご飯を作って食べ、風呂を沸かして入ることもある。

そうしてる間に和人たちは友香の家に着いた。

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