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僕とキミの多目的室  作者: 永井 勇樹
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勉強の誘い

6月中旬、今日もいつも通り学校の授業が終わり、放課後に多目的室に行くと、友香はまだ来ていない。

梅雨入りもして雨が度々降り続く中、蒸し暑い気温が続く。

多目的室にもクーラーは設置してあるが、多目的室使用者2人のためにクーラーをつけてくれることは無い。

それでも僕がここに来るのは友香もここに来ると確信してるからだ。

僕が勉強を始めて数分が経った時、友香がいつも通りに勉強に来た。


「こんにちは」


「こんにちは」

挨拶をされ挨拶し返すと友香はいつも通りの席に座りいつも通り勉強を始めた。

僕は何か話しかけようと思ったが、あることを思い出し、話しかけずに勉強を再開した。

何故なら、この高校ではもうすぐ定期テストがあるからだ。

普通科の定期テストでは50点(赤点)を下回った教科ではそれぞれ課題が出される。

課題と言っても、教科書を見ながらやれば簡単にできる確認プリントのようなものだ。

友香のような毎日努力を欠かさないような子が赤点を取るようには思えないが、邪魔はしないように声をかけずにいた。

それに自分も下手をすれば、赤点を取ってしまう可能性があるからだ。

いつもどおり黙々と勉強をしてると友香の方から声をかけてきた。


「もうすぐテストですね。テスト勉強は上手くいってますか?」


「そこそこ上位は狙えると思います。でも、古典が少し心配ですね。」


「古典の何が心配なんですか?」

和人には友香の質問が自分のことに興味を持ってくれたように思えて少し嬉しかった。


「動詞、形容詞の活用形が難しくて、あと現代文の心情とかは分かるけど、漢文の心情は難しくて見逃しちゃうことがあってちょっと……。」


「なら、私が古典の勉強を教えてあげる。だから一緒に勉強しない?」

和人は驚いた。

今日まで和人と友香は毎日挨拶とクラスのことについて軽く話をする程度でお互いあまり相手自身のことには誰でも知り得る情報くらいしか話さなかったのに友香は急にその壁を越えてきたのだ。

でも教えてくれるって言っている友香の誘いを断るのは悪いと思い、


「じゃあ、お願いします。」

誘いを受けることにした。

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