表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕とキミの多目的室  作者: 永井 勇樹
1/17

休館日の図書館

夏の訪れを知らせる初夏の季節の6月、佐竹和人(さたけかずと)は学校指定の制服を着ていつも通り教室で授業を受けていた。

いつも通り前回やった続きからの授業。

今日も授業が終わったらまたあの場所に向かう予定だ。

彼女と2人になれる場所へ。

和人は最近、毎日のように通っている場所がある。

そこは多目的室だ。

約一ヶ月前から放課後に1時間程度、多目的室で自習をして帰る生活を繰り返してる。

理由は約一ヶ月前の春の暖かい風の吹く5月の出来事である。

和人は図書館が臨時休館日だと忘れて来てしまい図書館が閉まっていたことがあった。

そこで先生に相談したところ、多目的室を使用してる生徒がいるから一緒の利用という形でいいなら使わせてもらえることになった。

和人は1時間だけ勉強しようと多目的室の前に立った時に迷った。

挨拶をするかしないかを。

迷った結果、挨拶をされない限りしない様にしようと決め、多目的室に入った。

多目的室は広くないため長方形のテーブルが三つ、椅子が端っこに重ねて置いてあった。

彼女は一番前のテーブルの右端に座っていた。多目的室の扉は室内の左後ろに付いてるため、彼女とは正反対の扉の近くいる和人は彼女とは目も合わせることは無い。

彼女はイヤホンをしていて和人に気づいていないようだった。

和人がそのまま勉強を始め30分近くがたった時、彼女が席を立った。

その時、彼女は振り返って初めて自分以外に人がいることに気づいたみたいだ。

だが、和人にはそんなことはどうでもよく、勉強を続けようと思った時、彼女に挨拶された。


「勉強ですか?」

和人は咄嗟に答えた。


「はい。」

彼女はそれだけ言うと、部屋を出ていった。

荷物を置いて行ったので、手洗いにでも行ったのだろう。

彼女は可愛いか可愛くないかで言えば、一般的には可愛い方であったと思う。

スタイルは制服を着ていたこともあり、よく分からなかったが、太っているようには見えなかった。

その時の和人には彼女の名前、学年も分からなかった。

だが、それからというもの、和人は何故か次第に図書館に行かないようになり、彼女のいる多目的教室で勉強するようになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ