パーティー
王都を出て、しばらく歩くと、そこには森があり、その近くにある平原で、悠魔達は、そこで簡単な昼食を、食べながら森に入るに前に、注意事項を悠魔に説明していた。
「基本的に無茶はしない事だ、無理だと思ったら、その場で引き返すいいな」
「はい」
「そう言えば悠魔君て、どうんな魔法使えるの? 見た感じ魔導士みたいだけど」
ナナが悠魔の装備を見て、剣も槍も弓も物理的な、攻撃手段を持ってないのを、見て悠魔に尋ねた。
「肉体強化と魔弾くらいしか、まだ使えません」
それを聞いてリウスは、悠魔の配置を決める。
「それなら、ナナとレイラと一緒の後衛だな」
「肉体強化も使えるなら、遊撃にしたいんだけど、流石に初心者には無理だよねぇ」
「いや、クラウ何事も経験だ、悠魔君、ショートソードとかは、持ってるかい?」
「こんなのしかないですね」
悠魔が、ローブの中から、大きめのナイフを取り出した。
「よし、ならそれをすぐに、取れる位置に装備しておいてくれ」
「わかりました」
「ちょっ、リウス! 行き成りは無理だって、初心者に遊撃は!?」
「さっきも言ったが、何事も経験だ、悠魔君も基本的に、こちらを通り抜けた敵だけに対処してくれ、無理に援護はしなくていい、わかったね」
「は、はい」
「じゃあ陣形は決まったし、森の中にレッツゴ――」
「お~い、後衛のお前が、先に行ってどうするの~」
「全くだ」
「ほら、悠魔君も行こ」
レイラが可愛らしく拳を上げて、森の方に歩いて行き、それに続いてクラウ、リウス、悠魔の手を引いてナナが歩き出した。
「ねぇねぇ、悠魔っちの魔弾てどんなの?」
「魔弾は、魔弾じゃないんですか?」
「あれ、悠魔君知らないの、魔弾の魔法は、魔力の込め方によって変わるから、人によって結構形状が変変化するの」
「(簡単に使える魔法で、魔弾を調べた時に、そう言えばそんな事が、書いてあったような)そうなんですか」
「見てて……魔弾」
ナナの杖の先に魔法陣が展開され、目の前に転がってた大岩に向けると、魔法陣から光の玉が放たれ、大岩に命中し、岩の一部を砕いた。
「これが私の魔弾よ」
「ナナっちの魔弾て、何も面白みがないよねぇ~……何と言うか、工夫が見られないよね」
「仕方ないじゃない、魔力コントロール苦手なんだから!」
「おい! 後ろの3人組うるさいぞ! 此処は森の中だぞ!!」
「「ごめんなさい!」」
リウスは、緊張感なく騒いでいた、後ろの3人に怒号を飛ばし静かにする。
しばらく歩くと、レイラが何かを感じ取ったのか、足を止め茂みの先をじっと眺めて出した。
「ん、」
「どうしたレイラ?」
「この先の茂みに何か居る」
(今のは魔法じゃないな、技術や経験で身に着けた武芸か?)
武芸は、魔法とは違い、魔力を使用しなく使えるもので、魔法より素早く発揮出来る、しかし、その分魔法より効果は弱い。
「ナナ」
「うん、索敵」
ナナの足元に、魔法陣が展開され、魔法陣から波紋の様に光が放たれた。
「ゴブリンが三体」
「他には?」
「いないかな、少なくともこの近くには……」
「なら、決まりだねぇ」
「じゃあ、サックリ行こう」
「おい、レイラ数が少ないからって、油断するな」
何処までも、陽気な状態のレイラを、リウスは叱りつける、例え相手が少なくても、決して油断はしてはいけない。
「はぁい」
「それじゃあ、森に入る前に入った陣形でいいですよね?」
「ああ、よし、ナナ魔弾を撃って、敵を引き付けろ」
「わかったわ……いくわよ! 魔弾!」
杖の先に、魔法陣が展開されて、数発の魔法弾が茂みの向こうに、放たれ爆発を起こし、三匹のゴブリンが飛び出て来た。
「クラウ行くぞ!」
「行くぜぇ!」
リウスが剣を抜き盾を構えて、クラウが槍を構え走り出し、戦闘を始めた。
「ナナ!」
「魔弾!」
リウスが盾で弾き飛ばしたゴブリンに、ナナが魔弾を放ち打ち倒した。
「あと二匹」
「ハァ!」
クラウが勢いよく、ゴブリンに槍を穿つ。
「魔弾」
「ナイス! 悠魔君」
クラウが、槍で肩を貫いたゴブリンを、悠魔が放った魔弾が、ゴブリンの後頭部を貫き絶命させる、リウスがグット指を立てて、彼に賞賛を送った。
「あたしの出番ないなぁ」
「まぁまぁ」
後方待機している、レイラは弓矢を構えてるが、放つタイミングがなく、文句を言う、そんな彼女を、ナナがなだめる。
「これで最後だ!」
レイラが唇を尖られていると、リウスが最後のゴブリンの首を刎ねた。
「お、終わった」
「悠魔君! ナイス援護」
「いえいえ」
「うん、あれはいいタイミングだったな」
「あたしの出番なかった」
「まぁまぁ」
悠魔は戦闘が終わった安心感からか、その場に座り込み、リウスとクラウは賞賛を送りながら歩いて着て、彼に手を差し伸べた、その手を悠魔が掴み立ち上がった。
「悠魔君、ちょっと聞きたいんだけど、今の魔弾?」
「ええ、そうですけど」
「すごいよね、光がビュー! て出て、ゴブリンを貫くの」
「確かに、魔弾であの貫通能力はすごいな」
「あんな魔弾見た事ないよねぇ、ナナちゃんじゃ出来ないの?」
「無理ね、あんなに、精密な魔力操作は私には出来ないから、魔力操作苦手だし、そもそも普通魔弾であれほどの貫通能力を出すのは、難しいし出来ても上級魔導士くらいじゃないかしら」
「ねぇ、ナナっち、あたしは魔力使うのて、魔法陣を使わない肉体強化ぐらいしか使わないけど、難しいの?」
「難しいわよ! レイラちゃんは、体に流れてる血液を操作して、物を貫ける貫通能力を出せる?」
「それは、無理だね~……にゃはは……そもそも血液操作なんて出来ないよ、普通……」
「血液てのは物の例えよ! 魔力回路は体中を通っていて、その中を血液のように流れているの、それを感じ取って、あんなに精密に操作して魔法陣に注ぎ込んで、そもそも貫通能力のある魔法なら、他にもたくさんあるし、だからこそ、悠魔君が自然にあんな魔力弾を放てるのがすごいのよ! わかるレイラちゃん!」
「う、うん、わかったから、ちょっと落ち着いて、ナナっち……ちょっと怖い」
物凄い剣幕で、ナナがレイラに詰め寄り、魔法について語りだした。
「(そう言う事か、もともと僕は魔力なんか持ってなかったから、体を流れる魔力を感じ取りやすいのか)ふむ、納得」
悠魔は、この世界に来てから、体中に妙な、感じを覚えた、それが魔力で、この世界の人間より、鋭敏に魔力を感じ取れる。
「ナナちゃんが、魔法を語りだすと長いからな、悠魔君、今の内にゴブリンの魔導核の取り方教えるね」
「あ、はいお願いします」
「初めは、少しつらいかもしれないが、これは必要な事だから慣れろいいな」
「はい」
「確かに、初めはつらいよなぁ、俺も慣れるまでは、気持ち悪かったからな」
リウスとクラウが、ポーチからゴム手袋を取り出し、悠魔に投げ渡してナイフを取り出し、歩き出した。
「うぇ」
「悠魔君大丈夫? 気分悪いなら少し休む?」
「い、いえ、だ、だい、大丈夫です」
「まぁ、初めはそんなもんだよねぇ」
「すいません」
「気にするな、ナナは初めて解体をして、吐いたくらいだからな、気分を悪くするくらいなら、大したもんだ数をこなせばなれる、こればかりは慣れだ、冒険者をするにあったって、必要な技術だ慣れろ」
「は、はい」
「ちょっと、リウス君そう言う事、言わなくていいでしょ!」
「にゃはは、悠魔っちゴミもらうね」
ナナは、羞恥からか顔を赤くして、リウスに抗議しだした。
悠魔は、それを見ながらゴブリンから解体して、取り出した魔導核や骨などの素材になる部分を、袋に詰めゴブリンの血液で汚れた、ゴム手袋を外してレイラに渡した。
「それじゃあ、気を取り直して、薬草採取行行こうか」
「にゃはは、レッツゴー」