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異世界でのセカンドライフ  作者: サイン
第二章
41/227

悠魔の1日

 悠魔はリウス、クラウに連れられて、王都イクシードの市場に来ており、目の前には沢山の人がおり買い物や店先に集まったお客に商品の説明をしていた。


「すごい、ララークの市場より賑やかですね、それに魚介類が多い!」


「此処は目の前が海だからねぇ」


「よし見て回るか」


 男3人は、商品の仕入れと、趣味の買い物をし始めた。クラウとリウスは商会で販売できそうな物を探し、悠魔はそんな2人は別に魚を見始めた。


「ん~昆布出汁に合うのは、白身魚だよな」


「なぁ、悠魔生魚何か買って行っても、エストアには持って帰れないだろ?」


「僕のローブ中に容れた物の時間を止めておけるんですよ」


「そんな力もあったのかそのローブ」


「はい」


 悠魔は並んでいた1匹の鯛を購入すると、それをローブ内にしまい2人と一緒に次の店に向かう。




「指輪、ネックレス、イヤリング、髪留め、ブレスレット」


「悠魔君どうしたんだい?」


「アリスさんやナナさんに何か買って行こうと思うんですけど、ナナさんもアリスさんもこう言うの付けてる所見た事ないもので、どうしようかと」


「ナナはただ単に金がないだな、市場に行った時はよく見ていたから」


「アリスさんはこういうのに興味ないんでしょうか、着飾ってる所見た事ないですし」


 悠魔の言うと通り、アリスが来ている服は基本が黒色のワンピースで、ネックレスなどの装飾品は一切付けて無く化粧なども全くしてない。


「彼女の場合悠魔君の買っていた物なら、普通に何でも喜ぶと思うけどなぁ」


「それについては同感だ」


「ん~じゃあ、これとこれの二つをください」


悠魔は二つの装飾品を受け取りその店を後にし3人で早めの昼食を取り、その後2人は仕事があると言って店の方に戻って行き、1人になった悠魔もやる事がなく王宮に戻ろうと思い大通りを歩いているが、王宮の一部から閃光が放たれ崩壊するのが見えたので、悠魔はその場で反転して商店が立ち並ぶ区に足を向けた。


「あれって、絶対またアリスさんとリボーズ様の喧嘩だよな面倒事は嫌だし、もう少し街を歩いて帰るか」


 悠魔は面倒事を避ける為に商店が立ち並ぶ道を歩いていると一つの魔道具店があり、興味を惹かれ中に入った。




「色々な物が並んでるな」


 悠魔は店内に入ると店に並んでいる見た事のない魔道具を見て行き、一つのポーションに目が行った、そのポーションは悠魔が今まで作ったポーションより色が濃く神様に貰った物より色が薄く、悠魔がポーションを眺めていると、店員の女性が気怠そうに声を掛けて来た。


「どうかした、ポーションなんか眺めて」


「え、いえ、何でもないです」


「そう」


 女性は素っ気無く返事を返すと、開いていた本に目を落とし再び読書を再開した。


「これって?」


「それは、光の種植えて置くと花が咲いて光を放つの」


「へ~便利そうですね」


 悠魔は女性の説明を聞いて興味深そうに種を取るが。


「ただ、光が強力で目を開けてられないの、しかも1日中光りぱなしで睡眠の妨げにもなるし、近所にも迷惑が掛かる、引っこ抜くと光らなくなる」


「……」


 悠魔はそっと種を棚に戻し、次に隣にあった球体状の魔道具を手に取ると女性は本を見ながら。


「その魔道具は、結界発生装置で魔力を流すと、装置の周りに半径2mの物理結界を作り出すの」


「これは使えそうですね」


「ただ、装置の周りに結界を作り出すから発動させた人間も物理結界に跳ね飛ばされるは」


「…………」


 再び悠魔はそっと魔道具を棚に戻すと、今度は1枚のスクロールを手にすると。


「それは、広範囲魔法に改変した麻痺霧(パラライズミスト)のスクロールで発動させると、周囲一面を麻痺効果を持つ霧を散布出来るの」


「……それって使用者も麻痺しますよね」


「当たり前でしょ」


 女性は、何当たり前の事を聞いてるの? 見たいな目をして、悠魔の質問に答えると悠魔はスクロールを棚に戻し。


「この店は欠陥品しかないんですか!?」


「失礼ね、ちょっと不具合のある魔道具が多いだけよ」


「これは、ちょっとの不具合ではなく欠陥品て言うんですよ!」


 欠陥品の自覚はあるのか、女性は苦虫を噛み潰した様な顔をして、悠魔を睨み付けた。


「だったら、自分で作ってみなさいよ、魔道具を作るのは難しいのよ!」


「ん~魔道具ですか? こんな物なら作った事がありますけど」


「ふん、どうせポーション位でしょ子供でも作れるわよ」


 悠魔がカウンターテーブルの上に今まで作った、物を並べていくと女性の表情が真剣な物に変わり。


「黄色いポーション?」


「イエローポーションて言って、ポーションと魔力ポーションの両方の効果を持っているものです」


「はぁ!? 何よ、そのポーション今まで見た事もないわよ! どうやって作ったのよ!?」


「製造方法は秘密です、どうぞ1本差し上げますよ」


 女性は、悠魔からポーションを受け取り鑑定の魔法を発動させて、その結果に驚きポーションの瓶の栓を開けて中の液体を飲み込むと、確かに彼女は体力回復の効果と魔力回復の効果がある事に驚き、次に目が行ったのは白と黒の錠剤で悠魔は鬼人剤と甲殻剤の説明をすると、ポーションの時よりは驚かなかったが、悠魔が白と黒の錠剤を1粒渡すと鑑定の魔法を発動させて鑑定すると、悠魔の説明通りの効果がある事がわかり。


「おーい、チーちゃん遊びに来たぞ!」


 店内に悠魔の聞き覚えのある男性の声が聞こえて来て声の主の方に振り向くと、そこには千変の魔王事リボーズ・ジードが立っており、悠魔の存在に気が付いたリボーズは悠魔に詰め寄り肩を組み楽しそうに話し始めた。


「何だ城に戻って来ないと思ったら此処に居たのか!」


「いや、まぁ、あはは……」


 悠魔は何故此処にリボーズが居るのか分からなくて混乱してしまい、そんな悠魔を見て店員の女性が話し始めた。


「私、王宮魔工技師なのよ」


「え」


「ああ、チーちゃんの作るポーションは上質な物でな、そんな物を作れる奴を遊ばしておくには勿体ないと思って声を掛けたんだ」


「私は興味なかったんだけど、給金がいいから」


「この店の商品売れないもんな」


「う、うるさいわね! どうせ私の作る物は欠陥品よ!」


「そう言えばチーちゃんて?」


 悠魔はリボーズが先ほどから女性の事をチーちゃんと呼んでいるが、明らかにそれが彼女の本名ではないと思い、本人に尋ねると代わりにリボーズが口をはさみ。


「本名チノ・カレーラで、略してチーちゃん」


「ハァ~、私はチノよ……それで、これと貴方はどういう関係?」


 チノはリボーズを指さし悠魔に視線を合わせる。


「えっと、僕と言うよりアリスさんが知り合いで」


「……アリス? 剣姫の魔女の事?」


「アリスさんの事知ってるんですか?」


「知ってるも何も、歩く災害でしょ、彼女がこの国に来るたびにドッカン、ドッカン、うるさいのよ――と言うかさっきも大きな音が聞こえてたから、もしかして来てるの? 何で、あの魔女が人間と?」


「俺も初めは驚いたが、寧ろ剣姫の魔女の方がこの坊主に付きまとってるみたいだ」


「一体どうやったらあの狂犬を飼いならせるのかしら? 貴方何したの?」


 疑問に思いチノは悠魔に質問するが、悠魔は特別な事は何もしてないと言うが、チノは納得いかないと言う顔で悠魔を見るが、悠魔自身ただ話をして魔法を教えてもらっただけなので、特別な事をせずに仲良くなったため説明しようがなかった。


「と言うか、貴方男だったのね女かと思ったわ」


「ハハ……慣れてますから気にしないでください」


「……それで、一体何の用ですか? 今月分のポーションはもう作ったはずですが?」


「いや、実は……」


 リボーズがばつの悪そうな顔をして目線を逸らし中々説明せずにいると、悠魔がふと思いこの店に来る前に見た閃光と王宮の一部が崩壊したのが関係あるのかと思い尋ねると、リボーズはぎくりと擬音が聞こえそうな反応をして、それを見てすべてを察したチノが目を細めカウンターの下から小さなクリスタルを取り出し魔力を込めると、クリスタルが光だしクリルの声が聞こえだした。


『はい、クリルですどうされましたか? チノさん』


「馬鹿魔王が来てるけど、どうする?」


「ちょっ!? チーちゃん!」


『っ!? 今すぐそちらに行くので捕まえておいてください! そこを動くなよ馬鹿魔王!』


 クリスタルの光が消えるのと同時に、リボーズがその場を脱兎の如く逃げ出そうとするが、チノの後ろに大量の魔法陣が展開されて黒い布と鎖が放たれリボーズを簀巻きにして転倒させた。床に幾つ物の魔法陣が展開されると、先ほどと同じように黒い鎖と布が放たれ簀巻きのリボーズを床に固定した。


「ちょっ、戒めの布と鎖は流石にガチ過ぎるだろ!」


「いくら貴方でも、これだけ雁字搦めにしたらしばらくは逃げられないでしょ」


「雇い主、と言うか国王陛下にする事じゃないですよね、これ?」


「いいのよ、此処で捕まえていないと、私が後で文句を言われるのだから」


 その後、殺人鬼の様な目をしたクリルが現れ、簀巻き状態のリボーズを見つけると首元を掴み引っ張って行った。その時悠魔に夜までには王宮に戻るように言って行った。




「今のは魔法何ですか? それに、何ですかその魔道具?」


「違うわ、あれは魔道具よ収容魔法で収容してあった物を取り出しただけ、剣姫の魔女が魔剣を取り出すのと一緒、まぁ私のは取り出すと同時に目標を拘束するようにしてるけど、あとこれは2つで1つの魔道具で離れた距離でも話が出来るの」


「収容魔法も色々な使い方があるんですね」


「そう言えば、貴方の名前まだ聞いてなかったわね」


「悠魔です、九条悠魔で九条が家名で悠魔が名前です」


「変わった名前ね、よろしくチノでいいわ」


「はい」


改めて自己紹介をした2人は、しばらく魔道具について話し合っていたが日が暮れだし悠魔は王宮に帰って行った。

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