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異世界でのセカンドライフ  作者: サイン
第二章
30/227

地下遺跡

「おはようございます」


「悠魔君、おはようございます!」


 紅の家の台所には、コトナと真白が朝食の用意をしており、真白を見た悠魔は驚きテーブルに座ってお茶を飲んでいた紅に目をやった。


「俺も一日くらい寝てろと言ったんだが……」


「もう平気です、お兄様は心配性なんですから、今まで寝ていた分しっかり仕事をしないと」


「でもなぁ」


「傷はもう塞がりました」

 

 テキパキ家事をする真白を見て呆れた顔をする紅に悠魔はずっと気になっていた事を聞き、真白が魔虫に寄生された畑に案内してもらった。




「此処が真白が倒れていた畑だが、此処がどうかしたのか?」


「他にも魔虫が居るかもって思ったのですが……元がかなり小さい虫ですから大変そうだな」


「仕方ない手探りで探すか」


「ハァ~こんな事なら、検索の魔法を覚えておくのだったな」


 紅と悠魔は二人で畑の中を調べ始めた、しかし結果はゼロで二人で途方に暮れているとアリスが歩いて来て、二人に声をかけると。




「君達は馬鹿だな」


「「ぐっ」」


 そもそも、大きさが数ミリ程度しかない虫を手探りで草を掻き分け探していた事を聞いたアリスは率直な感想を馬鹿二人に告げ、馬鹿二人は事実なので反論出来なく。


「悠魔君、魔力ポーション持ってるよね」


「はい、持ってますけど」


 悠魔がローブから魔力ポーションを取り出してアリスに渡すと、受け取ったアリスは畑の近くに歩いて行きポーションを畑の隅に流すと、小さな虫がポーションのしみ込んだ土に集まりだした。それを見た悠魔は気持ち悪いと思い、アリスは顔色を変えずに魔法で小さな炎を作り出し集まった虫を焼き払った。


「そうか、魔力に反応するから魔力ポーションにも反応するんですね」


「……」


「どうかしたのか? 魔女」


「妙だね、本来魔虫はこんな所に居ないんだけど」


 アリスは考える様に腕を組み目を閉じた。


「普通は何処に生息してるんですか?」


「本来はもっと高度の高い岩山の岩の隙間とかなんだけど――まるで、何かに追いやられたかのように移動して来たみたいだ」


 山を見上げ何かを思いついたかのように。


「鬼人、今晩も世話になっていいかい?」


「それは、構わないが」


「悠魔すまないが、もう一日此処に滞在していいかい、ちょっと調べたい事があるんだ、何なら君とコトナで先にヒガンサクラを採取して帰ってもらってもいい」


「いえ、一日くらいなら待ってますよ」


「何だ、お前らヒガンサクラを探しに来たのか、それなら俺が昼から取って来てやるよ、妹の事を助けて貰った礼と魔虫の駆除もしてもらったからな」


 アリスは山頂を調べに行く事になり、紅の提案でヒガンサクラを集める必要なくなって暇になった悠魔も同行しようとするが却下され代わりにコトナを同行させ山を登って行った。




「何で私なんですか?」


「ん、この辺の魔物の相手は悠魔には、まだ荷が重いと思ってね」


「まぁこの辺はワイバーンや、小型のドラゴンが出ますからね」


 女二人で岩道を歩いているが、魔虫が大移動する様な出来事があったように見えなく、アリスも自分の考えすぎかと思い、日が沈む前に鬼人の里に戻らないといけないので余り詳しく調べれなく、そろそろ帰ろうかと思った時に、離れた所から自分を呼ぶ声が聞こえて来たのでコトナの方に歩いて行くとそこは、普段は余り驚く事がないアリスすら驚く物があった。


「こ、これって」


「間違いない成体のドラゴンだ」


「でも、これ完全に石化してます、ドラゴンてかなり強い魔力耐性を持ってるのにどうやって」


 目の前には自分の何十倍もの大きさのドラゴンの石像があり、この石像は実物のドラゴンが地属性の魔法の石化魔法によって石化した物だと言い、普通ドラゴンはかなり強い魔力耐性を持っており子供でも石化させるのは困難で、目の前のドラゴンは成体の大人のドラゴンでどうしたらこんな状態に出来るのか、長生きしているアリスですら分からなく。


「一体何と戦ったらこんな事になるんだ」


「アリスさん――あれ!」


 コトナの指さす方向には、一体のゴブリンの石像が転がっており二人は近づくとゴブリンは何を見たのか恐怖に満ちた表情をして、石化していた。


「これは、岩ゴブリンだね……ウム」


「アリスさん?」


 アリスが何を思いついたかの様に頷き一本のポーションを取り出しゴブリンの石像に掛けると、煙が発生してゴブリンの石化を解除した。


「ぎゃ!?」


 ゴブリンは、驚きからか辺りを見回しオロオロして、アリスとコトナに気が付くと警戒して後ずさるがアリスの魔剣がゴブリンの近くに刺さり、それに驚いたゴブリンはその場に縮こまり。


「おい、言葉は喋れるか?」


「ぎゃ?」


「言葉が喋れるかと聞いてる!手間を取らせるな!」


「ぎゃ――ずごじならじゃべれる」


「此処で何があった?」


 ゴブリンは震えながら此処で起こった事を説明し始めた、ゴブリンは十体の集団で餌を取りに来ていたが成体のドラゴンと出くわし仲間を食べられ、自分だけは何とか逃げたが突如大きな地震が起こり地底から成体ドラゴンの何倍もの大きさ黒いドラゴンが現れ、奇妙な光を放ちそこからの記憶がないと言う事だった。


「ああ、その光が石化の光だったのだろ、だが成体のドラゴンを石化する程の力を持つドラゴンか聞

いた事ないな――君は?」


「……ないですね」


「うむ、困ったな」


「おでは?」


「ああ、君はもう行っていいよ――まぁ、情報に免じて命は助けてあげるよ」


 ニッコリ笑うアリスそれを見てゴブリンは、アリスの冷たい微笑みを見て恐れ慌ててその場を逃げて行った。そんな反応を見てアリスはコトナを見て。


「僕ってそんなに怖いかい?」


「笑顔が怖いですね、もう少し悠魔君に見せる笑顔を出すと、皆怖がらないと思いますけど……」


「はぁ!? 何であんな下等生物を悠魔と同じ扱いをしないといけないんだい?」


「ハァ~(まぁそうなりますよね)」




 二人は、黒いドラゴンが出て来た穴に向かうと、そこには底が見えないほどの巨大な穴が開いており二人は穴を覗きこむと中は闇の世界が広がっており、アリスが落ちていた手ごろな石を投げ込むが音は聞こえてこなく、かなり深い事がわかり。


「よし、降りてみるか」


「えぇぇぇ! 無理ですよ無理無理! ジェンガ君じゃないんですからこんな斜面降りれませんよ!」


 コトナは必死に首を左右に振り降りれない事を否定し、しかし慌てるコトナを無視してアリスは一人で話を進め。


「君、飛行魔法は使えるかい?」


「使えませんよ! 使えたらこんなに否定してません!」


「……仕方ないな」


アリスは人が乗れる位の巨大な剣を取り出し、これに乗るように告げコトナが恐る恐る地面に寝かされた剣に乗り。


「それじゃあ行くよ――起動(ブート)


「ひゃあ!」


 アリスが魔法を発動させると剣がフワッと浮き上がり次にアリスが。


――飛行(フライ)


 魔法を唱えるとアリスの体が浮き上がり、二人して穴の底目指して降りて行った。しばらく行くと光が届きにくくなり、コトナが(ライト)の魔法を発動させて辺りを照らすが、底までは光が届かなく二人は緊張しながらも降りて行き、底に着くと巨大な広い空間になっていてコトナの作ってる光では全体を照らせなく、アリスは白く刀身に炎の球体の様な彫刻がされた魔剣を取り出し。


「ふっ!」


「きゃ!?」


刀身に火球が灯り、勢いよく火球を打ち出すように天目掛けて魔剣を振ると、刀身から打ち出された火球が一瞬強烈な輝きを発して、疑似太陽になり辺りを照らした。


「何だ……此処は?」


「こ、これって人工的に作られた空間ですよね?」


 目の前に広がっていたのは、人工的に作られた巨大な空間で二人は空間内を歩き調べ始めると、そこにはかつて、悠魔が足を滑らせ落ちた時に見つけた遺跡と同じ古代文字が掘られていたがこの時、アリスはその事に気が付かなかった。さらに此方の遺跡は壊れており奥にさらなる空洞が続いていた。


「それにしても、まだ深く続いているな」


「何だか怖いです」


「ん、何かあるな」


 空洞の奥に幾つもの黒いプレートの様な塊が落ちており、此処からではよく見えなかったのでアリスが再び魔剣を振るうと空洞内に疑似太陽が生成され、空洞内には千切れた巨大な鎖が散らばっておりその鎖を調べると、壊れているが魔法の痕跡があり。


「どうですか?」


「ダメだね、魔法式自体が古すぎて分からない、それにこんな術式見た事ない」


「アリスさんて……かなり長い時間生きてますよね?」


「……そうだね、千年くらいは生きてる、僕が知らないか僕が生まれる前より古い物だと言う事だ」


 長生きを指摘されて少し不満そうな顔をして、アリスが説明するとコトナは他に何かないかを調べ始め地面に落ちていた黒いプレートを手に取った。


「これ、何でしょう?」


「見た所鉄見たいな材質だね」


「今、何か聞こえませんでした?」


「しっ」


 アリスがプレートの表面をコンコン叩き材質を確かめていると、散らばっていた鎖の影から唸り声を上げながら赤い目をした黒影が出て来た。


「っ!? 何だこいつは?」


 光に照らされ黒い影の生物の全容が明らかになると、小さな一軒家程の大きさの二足歩行の黒い鱗を持つ地竜が目の前に立っていて、二人を威嚇するの様に咆哮を上げていた。

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