やはり魔女は強い
第二章スタート番外編は時々書いていきたいと思います。主に気分次第で書いて行きます。
悠魔は顔を引き攣らせて目の前に立つやれやれと言う顔で立っているアリスを見てアリスの近くには気絶したリウス、クラウが倒れいて悠魔の隣には疲れて座り込むナナと地面に大の字に寝るレイラがいた。どうしてこんな事になったのかと言うと時間は遡りクラウの一言がこの惨状を生んだのだった。
「アリスさんてどれだけ強いんですかぁ?」
「ん、僕かい? ……片腕を失ったから……そうだね魔王でもない限りは負けないと思うけど」
「うぁぁぁそれってかなり強くない?」
「まぁ、アリスさん自身聖剣と互角の戦いをしてましたからね」
悠魔はアリスとジェンガの戦闘を思い出し遠い目をして、今思うとアリスは魔女と言う事で化け物並みのその強さは納得出来るがそれと互角に渡り合うジェンガは人間だと思い魔女以上にジェンガ、聖剣と呼ばれる人種は化け物だと思った。
「なら、アリスさんに稽古付けてもらおうよそうすれば今まで以上に強くなれるんじゃない」
この一言により現状の惨状を作り出したのだった。アリス自身本人は否定するが面倒見がよく得意分野の魔法の事を聞くとノリノリで説明してくれてくれるが稽古を始めると分かる事があった。悠魔以外には激しく厳しく前衛の二人を躊躇なく木刀で殴り倒し後衛悠魔以外の二人を幻弾で打ち倒してしまった。悠魔は個人的に剣の稽古を付けてもらっているが今まで転ばされる事は合っても木刀で殴られた事はなかった。
「あのう、アリスさんもう少し手加減していただけると助かるのですが」
「しているつもりだけど…うん、次はもう少し手加減しよう取り合えず二人を起きてからにしようか」
しばらくして、前衛職二人が目を覚ますと第一声が強すぎて訓練にならないだった。
「アリスさん強すぎでしょ」
「強いと思っていたがここまでとは、剣の軌道が全く見えないとは俺もまだまだだな」
「まぁ、二人とも筋は悪くない」
「いやいやいや、一撃で気絶させられたんだが俺達」
「まず、反省点は明らかに各上の相手と対峙した時はまずは、突っ込んじゃダメだよ今みたいに負けるからね」
アリスは次々と幾つもの反省点を上げて行き皆はそれを正座して聞いていた、悠魔はやっぱりこう言う物事を説明している時のアリスは生き生きしているなと思った。アリスは今日はここまでにしようとさっさと宿屋に帰って行った。
「結局一本も取れなかった」
「強すぎでしょ」
「伊達に長生きしてないと言う事ですね」
「そうね、戦闘経験値が違い過ぎる」
「しかもちゃんとその都度、悪かった点を挙げてくれるから助かる何で魔女なんかやってるんだろギルド教育係とかやったらいいのに?」
「確かに」
悠魔はレイラの言葉に強いから魔女をやってるのではなく魔女をやってるから強くなったんだと思ったがそれを口にはしなかった。
その日の夜宿にてアリスはテーブルで何か作業をして悠魔はベットに寝っ転がりアリスから借りた魔法の事が載っている本を読んでいた。
「悠魔、これあげるよ」
「っと」
ベットで転がっていた悠魔目掛けてペンの様な形をした物を投げ渡した。悠魔は受け取ると何だこれを言う顔で見ているとアリスが説明をし始めた。
「君は属性魔法が使えないからねそのペンには光の構築の魔法陣を組み込んだこれを使う事で君も僕同様に刻印魔法が使える様になるよまぁ、刻印化した魔法だから本来の力は出せないけど刻印を書くくらいなら出来ると思うよ」
「いいんですか、貰っても?」
「言いも何も君の為に作った物だからね、まぁ僕が居るから頼まれれば僕が刻印はするが…まぁあって困るものでもないだろうしね」
「ありがとうございます…何か僕色々貰ってばかりですね」
「…………そんな事ないよ僕の方が君には色々貰ってるよ」
「今何て?」
「何でもないよ」
「?」
アリスの声は小さく悠魔には聞こえなかった悠魔は不思議そうに頭を捻りアリスに貰ったペンを使い宙に色々書き始めた。そんな悠魔をアリスは微笑みながら眺めていた。
「悠魔っち何それ?」
「アリスさんに貰った魔道具です」
朝方ギルドで皆を待ってる間昨日アリスに貰った魔道具の検証をしているとレイラが歩いて来て魔道具について聞いていた。
「光の構築の魔法の刻印が組み込まれた魔道具でこうやって宙に文字や絵が描けるんです」
「それだけ?」
「それだけです」
宙に書かれた文字や絵を見てレイラは「つまんない」と答えテーブルに倒れ込んだ。そんなレイラを見て悠魔は「これなんかどうです?」と言いローブの中から小さな小瓶を取り出してレイラに見せ瓶の中には黄色い液体が入っていて、それを見たレイラは目を輝かせた。
「今度は何々?」
「僕が作ってみたポーションと魔力ポーションの両方の効果を持つポーションです」
「両方の効果!?」
「はい、一応自分で実験をして効果は有りましたが他の人に使って貰って感想を聞きたいんですがどうですか?」
「やるぅ~面白そう」
悠魔はそれならと言いローブから五本のイエローポーション(今命名)を取り出しレイラに渡した。瓶にはそれぞれ一~五の数字が書いてあり悠魔が説明をし始めた。
「いちよう中身は同じですが配合の量が違うのでどれが一番使いやすいかを教えてください」
「OK」
レイラが魔力を使いたいから悠魔にさっきの魔道具貸してと言い魔道具を使い、宙に簡易的な悠魔の似顔絵を描いて魔力を消費して順番に一~五の順番にイエローポーションを飲んで行った飲んでいくとレイラが「あ、意外に美味しい」と言いん~と唸って三番が感覚的に一番使いやすいかな均等に元気と魔力が回復するかなと言いそれを聞いた悠魔は「ありがとうございます」とメモを取って行った。
「何してんだ?」
「ん、黄色いポーション?」
「変わった色のポーションね?」
情報を整理していると全員が揃いテーブルの上に置いてあったポーション瓶を見て三人も興味を示して聞いて来た。ポーションについてはレイラが説明してくれて皆も協力をしてくれてリウスとクラウが二番のポーションの方が元気が出て使いやすいと言いナナは五番の魔力回復多めの方が良いと言い悠魔は前衛職と後衛職によって意見が分かれるなと思いメモを取って行った。
「それにしても悠魔くん色々な物作るねぇ~」
「そんな事ないですよこの魔道具の……うん魔法のペンでいっかこれはアリスさんが作った物ですしポーション自体はすでに既存の物がありますからねでも買うと値段がしますからね少しでも安くするには自分で作るのがいいと思って作ってるだけですから」
「悠魔君他には何かないの?」
他は悠魔はローブの中から紫色の液体が入った瓶や白い錠剤などを取り出した。皆興味津津になりどんな効果があるのかを聞いて来た。
「紫が毒ポーションで体内に入り込むと毒の異常状態にかかりますねそれでこっちの白い錠剤がまだ未完成ですけど一時的に筋力を強化出来る鬼人剤です」
「こっちの鬼人剤てのは興味あるな」
「あたしはこっちの毒ポーションの方が興味あるな矢に付けて効果あるかな?」
並べられた魔道具を見て目を輝かせてるとアリスが歩いて来て鬼人剤に手を伸ばし一錠持ち興味深そうに眺めていた。
「アリスさん朝から何処に行ってたんですか?」
「ああ、王宮ね用があってね……それより中々面白そうな物を君は作るねこの鬼人剤て言うのは中々興味が引かれるね」
「そっかアリスさんは魔法より剣をメインに戦うからそっちに引かれるのか」
「まあ、普段は何気に剣を振りまわしてるけど魔力による肉体強化ありだからね強化魔法なしじゃ両手で持ってもあんな重い物振り回せないよ」
「えっ」
悠魔が驚いた様に目を開きそんな悠魔にアリスがジト目を向け――君ねぇと少々不機嫌そうな顔をして。
「……ハァ~あのねぇ、僕は一応女の子なんだよ」
「今のは悠魔っちが悪い」
「だねぇ~」
「右に同じく」
「悠魔君いくら強くてもアリスさんは女の子なのよ」
全員から非難の眼差しを受けてしまい――すいませんと謝り、なら許すと言いアリスはこの錠剤試してみたいと言いでも、まだ未完成でどんな副作用があるか分からないといい断ろうとしたがアリスは僕なら平気だろと言い小さく魔女なんだしその辺の人間よりは丈夫だよと言った。
「……わかりました、ただ何か体に異常があったらすぐに言ってくださいね」
「うん、それなら昨日の続きをしようか」
アリスがギルドの訓練所に行こうと提案して皆もそれに賛成した。
訓練所は空いていて人も余りいなくアリスは鬼人剤を飲み体の変化を確かめると、うんと何か一人で納得して木刀を構えた。
「いつでもいいよ」
「行くぞ」
リウスとクラウが木刀と木製の槍を構えてアリスに接近した。しかしアリスはジャンプをして木刀と槍をかわして木刀でクラウとリウスで打ち倒しそのままの勢いでレイラに近づき木刀を叩き込んでその勢いのまま、振り向き反応に遅れたナナが慌てて魔法を発動させようとするが間に合わなく足を払われ倒れて地面に頭をぶつけてしまい、悠魔がアリスを認識した時には悠魔の首筋に木刀が当てられていた。
「まだまだだね」
「…………」
アリスがいやらしく笑いその時――この人魔法使わなくても強すぎる――と全員が思った。




