王達の集合、そして悠魔はキレる。
屋敷にシルヴェストとエドナのすぐ後、クランドにリボーズが現れて悠魔は頭を抱える、さらに止め言わんばかりに急に空が曇ると竜巻が悠魔の屋敷の庭に下りて来る。
「何でこう次から次へと……」
竜巻が消えると、そこにはユミナとミアハが立っていた。
「悠魔さんこんにちは、見た感じ元気そうでよかったです」
「はい……さっきまで元気でしたけど今元気が一気になくなりました」
取り合えず屋敷の中に皆を迎え入れる。
こんな感じで集まった各国の王達に、悠魔は色々言いたい事があった。
「ものすごく不敬な言葉を使っていいでしょうか?」
皆お互いの顔を見合わせて不思議そうな顔をする。シルヴェストは初めて悠魔と会うからよく分からない顔をしてるが、悠魔がこの様な事を言った事は今までなく、王達は少し身構えて頷いてくれた。
一度大きなため息をはき覚悟を決めて言葉を吐き出した。
「皆さん今すぐに回れ右して帰ってください! こっちは色々限界なんです!」
何だかんだ馴れたとはいえ、これだけのメンバーが目の前に集まられると悠魔も限界だった。
「本当にすいません悠魔様。ほら陛下も誤ってください」
「悠魔さん申し訳ありません。陛下の突然の訪問を私とジェンガがお詫びいたします」
「悠魔殿申し訳ありませんユミナ様の突然の行動はいつもの事ですがタイミングが悪かったようで……本当に申し訳なく思います」
「ごめんなさい今回非は全面的にこちらにあるわ」
クリルに続きルチア、ミアハ、エドナが次々と謝罪をしてくる。
「いえ、僕も少し取り乱しすぎました。色々とすいません」
取り合えず落ち着きを取り戻した悠魔は、テーブルにつく王達を見て謝罪の意味を込めて頭を下げる。
「それで皆さんはどうしたんですか? 来るのなら来るので一言言っていただければここまで取り乱しはしませんでしが……ここに来たのは何か話があるんですよね」
「いや、坊主には用はないぞ、決まった話は後で話そうと思っていたが」
リボーズのその言葉を聞き悠魔の笑顔の表情が固まる。
「そうですね。私も本当は王宮の方に下りようと思っていたのですが、ここに皆さんが集まっていたので、ただそこに下りただけです」
ユミナの言葉に今度は眉間が引きつる。
「僕は遊びに来ただけ!」
最後に元気よく童女の様な笑顔でシルヴェストの言葉に、悠魔はテーブルに手を付き項垂れ小さな声でポツリと呟く。
「やっぱり今すぐ回れ右して帰れ……」
この時、王達の従者は皆悠魔に心の中で再び謝罪をした。
結局悠魔の帰れという希望はかなえられなく、この場で話し合を始める事にした王達に悠魔は色々言いたい事があるが、もうめんどくさくなり仕方なく従者たちを別の部屋に案内をする。
先ほどよりは大きくない部屋だが、これだけの人数が入っても広々しており、悠魔はスコアとカリンにお茶の用意を頼んでソファーに座る。
「悠魔となりいいかな?」
「ジェンガさんどうかしました?」
「今日はすまないね突然来てしまって」
「いえ、気にしないでください。それより大丈夫なんですか王様の皆さん危なくないですか? 護衛も最低限しか連れて来てないようですし」
「問題ないよ。正直この屋敷は王宮より強力な結界が張られてるからね」
「結界ですか? そんなもの張った記憶はないですけど……」
「剣姫の魔女だね。前の家でも彼女はかなり強力な結界を張っていたからね」
「アリスさんでしたか」
よく考えれば分かる事だ、この家は悠魔の所有物で悠魔が済む所だ、そんな場所を彼女が何の結界を張らない訳がなかった。
「そうでしたね前の家も守ってもらってましたからね」
「今回は僕もだ、彼女に助けられた……あれほど力の差があったとは思えなかったよ。手も足も出なく起源龍にやられた」
「仕方ないですよ色々失敗しましたから」
「遅くなったが悠魔にもお礼を言わないとね。ありがとう君のお陰で助かった命が多かった」
「いえ、コトナさんも他の皆さんも頑張ってくれましたから、それに最終的に助かったのはエドナさんのお陰ですから」
自分の名前を出されたエドナが歩いて来る。
「何、何だか私の名前が出ていたようだけど?」
「いえ、エドナさんに助けられたなと思いまして」
「ハァ……あんな事あれっきりにしてよ。色々面倒な処理が多いんだから」
「はは……すいません」
「僕からもお礼と謝罪をするよ」
「まぁいいわ」
疲れた様にエドナは用意され目の前に置かれた紅茶に口をつける。
「さっきの話だけど、安全云々なら今この屋敷が既存する建物の中で世界で一番安全な場所ででしょうね」
「それって皆さんが居るからって事ですか?」
「そうじゃないね……多分彼女が居るからだろうね」
「ええ、蒼海の魔王彼女が見方でその場に居るだけでまともな人間なら手を出そうとする人はいないでしょうしね」
「そうだね。正直僕達は居てもいなくても意味はないね……色々な意味で」
ジェンガの言葉の真の意味を悠魔は理解できなかったが、エドナは理解したようで静かに紅茶を飲む、この場は王が来ても安全だ、ユミナが居るだけでそこは安全地帯になる。護衛が居なくても安全な場所だが、逆に言えば彼女が敵になれば護衛が居てもそこは一瞬で超危険地帯になる。
護衛の為にこの場にいる人たちは皆この無力感に打ちひしがれていた。
「それにしても色々な物がある部屋ね」
エドナは部屋を見渡す。中央に置かれたテーブルにはゲームの使う道具が置かれていて、部屋の隅には一~九まで描かれたボールが入った箱が置かれたテーブルが置かれていたり、この部屋には悠魔の覚えていて作った娯楽品が置かれていた。
「遊戯室をイメージして作ってみたのはいいんですけど使う事がないんですよね」
「ゲームね……ちょうど暇だし悠魔やり方を教えて、貴方も付き合いなさい聖剣」
エドナに頼まれて簡単なカードゲームを始める。他の人達もそれぞれ興味があるものを進めスコアとカリンに説明をお願いする。




