少女との出会い
「悠魔君そっちに行ったぞ!」
「はい、鎖」
向かって来たオークを魔法の鎖で捕縛して動きを封じた。
「今ですクラウさん!」
「オッケー」
クラウの槍がオークの頭を貫き絶命させた。
「これで残り一匹」
「それも今終わった見たいですよ」
悠魔の言葉に反応してクラウが残っていたゴブリンを見ると、ナナの放った魔弾により吹き飛ばされてる姿が見えた。
「さて、解体するか」
「そうですね」
解体を終え素材や魔導核を袋に詰め岐路についている最中。
「今日はこのくらいにするか」
「そうだねぇ~」
「そう言えばレイラさん」
「にゃにぃ~?」
「フェリクスさんが早めに家に来てくれて言ってましたよお礼もしたいとかで」
「うにゃ~貴族の家は苦手なんだよね」
「まぁそう言わずに」
レイラは苦笑しながら、行きたくないなぁ~と主張して両手で両耳を塞ぎイヤイヤと頭を左右に振った、そんな光景を見た皆は苦笑して歩き出した。
「それでは今日の配分をするぞ」
「わぁー!」
「いぇーい!」
「二人とも元気ね」
「イェー!」
「悠魔君も!?」
ギルドに着きリウスが素材や魔導核を売却して皆の座ってるテーブルに革袋を下げて歩いて来た。
「今回の報酬は一人銀貨四枚だ」
「今回は儲かったな」
「これで杖を強化出来る」
「ん~あたしは使い道ないから取り合えず貯金かな」
「……皆さん白金貨十枚程持ってますよね……」
悠魔がジト目でと皆を見ると皆が一斉に顔をそらした
「いや、だってねぇ」
「白金貨なんて……使うの怖い」
「贅沢は敵だ」
「悠魔っち何でこんな大金受け取ってきちゃうかなぁ~」
悠魔はレイラの言葉に、自分は気絶してこなかったくせにと呟き、報酬の銀貨をローブの中にしまいコップを掴み水を飲みため息をつきその日は解散となった。
「え、休み」
「そうなんだ」
「急ですね」
今まで急に休みになる事はあったが、その時は前日に飲み過ぎで馬鹿二人が使えなくなった時で、昨晩は飲みに行ってないので悠魔は疑問に思った。
「実はねレイラちゃんが体調をくずしちゃって」
「レイラさんが大丈夫なんですか……ポーションぐらいしかないですけど」
「えっと……大丈夫よ……何処かが悪いとかじゃないから……むしろ健康だから……体調がくずれてる……」
「…………ああ、そう言う事ですか…………何かすいません」
「生理だからねぇぐぉ!」
悠魔がギルドに行くとリウス、ナナ、クラウがいてレイラの体調が悪いから休みにすると言い、ナナが言葉を濁してレイラの症状を伝えるが、クラウが身も蓋もない事をいいナナがそんなクラウに脇腹を拳をめり込ました。
「もう、クラウ君はデリカシーがなさすぎよ」
「い、痛いなべ、別に、いいんじゃない本人いないんだし」
「「いや、今のはクラウ『さん』が悪いと思う」」
「と言う訳だからレイラちゃんの体調が戻るまでお休み悠魔君それで大丈夫?」
「わかりました、ちょうど僕も調べたい魔法があったので」
「魔法? どんなの?」
「刻印魔法ですちょっと調べたら色々使えそうだったもので少し勉強してみようかと」
悠魔は色々な道具を買い集め中央広場の隅に植えられていた木の下に腰を下ろし道具を広げ始めた。
「えっと、取り合えず木の板でいいか」
悠魔が木の板の表面にチョークでで魔法陣を書き始めた。
「中々手間のかかる作業だな魔法陣自体かなり複雑だし……まぁこれだけで魔力を送れば魔法を使えるのだから便利ではあるが……そう言えばあの伯爵はどうやって液体に刻印を施したんだろう」
しばらくすると木の板の表面に魔法陣が描かれ、悠魔はその上に水の入った鍋を置き魔法陣に魔力を注ぎ始めた。
「ん、何でだ魔法が発動してない温度を上げる事が出来るはずだからこれでお湯が沸くはずなんだけどな」
悠魔は鍋を下ろし魔法陣を眺めながら頭をひねった。
「そこ間違ってるよ」
「え、」
悠魔の視界端から黒いロングクローブに包まれた細い手が魔法陣を指さした。悠魔は視界を上げ手の主を見上げると、そこには腰まで伸ばした黒髪の綺麗な色白の少女が微笑んで前かがみになりながら立っていた。
「そこ間違ってるよ、そのままだと起動しないよ?」
「あ、はい、えっと」
「ここだよ」
少女が隣に座り魔法陣の間違いを指さし悠魔は間違いの個所がわかったのか修正し始め修正し終わると、再び鍋を置き魔法陣に魔力を注ぎ始めた。しばらくすると鍋の中の水に変化が訪れ沸騰し始めた。
「おお、ちゃんと起動した」
「普通に発動させるのと違って刻印魔法は魔法の存在を正しく理解してなくても、現物の魔法陣に魔力を注げば誰でも使えるのが利点だけど魔法陣が間違ってると起動しないから気を付けないといけないよ、酷い時は爆発したりするかもしれないからね」
「はい、気を付けます……それで……えっと」
「ああ、ごめんごめん名乗ってなかったね、僕はアリスよろしく」
「アリスさんですかよろしくお願いします」
悠魔とアリスが互いの自己紹介をしアリスが魔導師だと言う事がわかり魔法について話し始めた。そこでアリスが魔法に詳しいとわかったので悠魔は液体への刻印魔法の方法を聞いた。
「ああ、それなら」
アリスの指先に光が宿り空中で指を動かすと魔法陣が描かれ書かれた魔法陣がアリスの指に沿って動き鍋の中のお湯に浮かんだ。
「これでよし、この魔法陣に魔力を注いでごらん」
「は、はい」
悠魔が魔法陣に魔力を注ぐとお湯が冷たくなり次第に凍結しだした。
「まぁ、こんな感じで書くんだけど」
「それってどうやったんですか?」
「悠魔は魔力の性質変化出来る?」
「うぐ、出来ません……何度か試したんですけど魔力の性質変化は出来ないんですよ」
「なら、無理だねこれは光属性の魔法の光の構築だからね、刻印魔法は属性関係なしに属性魔法を使えるメリットはあるけどやっぱり本来の属性と合わないと威力は大した事ないしね」
悠魔がその話を聞くと目に見えて落胆しそんな彼をみたアリスはははと笑い悠魔の頭に手を置いて撫でると悠魔がジト目を向けた。
「おっとごめんごめん」
「む」
「さて、僕はそろそろ帰るよ……君は明日は暇かな?」
「まぁ、今パーティーメンバーが体調不良ですから暇ですから昼頃からなら」
「よし、なら場所は此処だいいかな?」
「は、はぁ」
「な~に警戒しなくても取って食べたりしないよ今のお詫びに明日面白い魔法を教えてあげようと思ってね」
アリスは、はははと笑いながら大通りの方に歩いて行き人混みに消えて行った。
「何か独特の雰囲気の人だったな……まぁ悪い人じゃなさそうだし魔法には詳しいそれに綺麗な人だったな……さて、明日どんな魔法教えてくれるんだろう?それに今日も色々教えてもらったし何かお礼しないと」
悠魔はお礼に何がいいかを考えながら露店の方に歩いて行った。




